5大商社の年収は?離職率は?口コミで比較してみた

今回は、就職や転職で人気の総合商社の年収や離職率を比較しました。

1.今回調査した5大商社

1-1.三菱商事

三菱商事の特徴

・インフラ関係やエネルギーに強みを持っている。

三菱商事の年収

平均年収:1,420万円


1年目:400万円
2年目:600万円
3年目:800万円
5年目:1,000万円
マネージャー(P3):1,500~1,600万円
マネージャー(P2):1,700~1,800万円
チームリーダー(P1):1,900~2,000万円
部長(SP):2,300~2,600万円

その他手当

・海外赴任手当:新興国だと年間1,000万円程度、また、会社、車、家なども会社負担。

三菱商事の離職率

『就職四季報(2019年度)』によると三菱商事の入社3年目までの離職率は4.8%である。

大卒の入社3年離職率の平均は32%程度と言われており、三菱商事の離職率が相当低いことが分かります。

三菱商事の文化・雰囲気

・三菱グループの理念の「三綱領」が文化を作り上げている。
 「所期奉公」=事業の目的は社会への貢献
 「処事光明」=公明正大で品格のある行動を旨とし、活動の公開性、透明性を堅持する
 「立業貿易」=グローバルな視野に立脚した事業展開を図る

・人間関係が重要視されており、日々の挨拶や礼儀には厳しい。社内政治により判断されることも多い。

・「組織の三菱」と言われており、チームワークを非常に重要視している。

・三菱商事として、恥ずかしくない仕事をするという意識が社員にも浸透しており、正々堂々と王道のビジネスを求める文化。

・体育会系で上意下達の文化であり、和を尊ぶ。ただし、前例主義は良しとしないなど、変化に対応する柔軟性も持ち合わせている。

・グループや営業部局によって、文化や雰囲気は大きく異なる。

・配属によっては、自分に合わないことや将来像を描き難い業界などを担当することになり、それが原因で転職する人も一定数存在する。

・企業としてやると明言したことはやり切る姿勢が徹底されている。

1-2.丸紅

丸紅の特徴

・食料などの個人の生活に密着している商材を得意とする。

丸紅の年収

平均年収:1,250万円


1~4年目:400~800万円
5年目:1,000万円
課長:1,600~1,700万円
副部長:1,900万円
部長:1,900~2,100万円

丸紅の離職率

当社調べによると丸紅の入社3年目までの離職率は5~10%である。

大卒の入社3年離職率の平均は32%程度と言われており、三菱商事の離職率が相当低いことが分かります。

丸紅の文化・雰囲気

・体育会系の雰囲気で軍隊方式の文化となっている。また、酒を飲む機会が多く、半強制的な飲み会が多い。このような古い文化が残っており、若手社員のモチベーションを削いでいる。

・トップダウンで決定されるが、上司は物事を判断するための能力・知見があるわけではない。

・社内で同じ商材を扱うなどのバッティングをすることがあり、グループ間の縄張り争いのような状況が存在する。

・非常に平和ボケしており、稼ぐことに対して意識が低い人が多い。

1-3.伊藤忠商事

伊藤忠商事の特徴

・非資源分野に強く、総合商社No.1を継続している。

・繊維や食品カンパニーに強みを持っている。

伊藤忠商事の関連会社

ポールスミス、コンバース、ファミリーマート、Dole、エビアンなど。

伊藤忠商事の年収

平均年収:1,410万円


1年目:550万円
2年目:700万円
3年目:750万円
4年目:800万円
5年目:1,000万円
6年目:1,100万円
7年目:1,150万円
8年目:1,200万円
9年目:1,150万円
10年目:1,300万円
課長:1,700~1,800万円
部長:1,900~2,000万円
※海外赴任の場合、1.5~1.8倍のイメージ
※バンドランク制により、入社10年目以降は残業代の支給は無し

伊藤忠商事の離職率

『就職四季報(2019年度)』によると伊藤忠商事の入社3年目までの離職率は6.8%である。

大卒の入社3年離職率の平均は32%程度と言われており、三菱商事の離職率が相当低いことが分かります。

伊藤忠商事の文化・雰囲気

・5大商社で唯一のカンパニー制をとっており、カンパニーによって文化や雰囲気は異なる。また、各カンパニーによって判断をすることにより、スピード感のある決断が出来ている。

・会社全体として経費抑制が強い。会社が最高益を更新し続ける理由の一つとなっている。

・制度面から働き方改革に取り組んでいる。例えば、110運動という取組があり、飲み会の1次会は10時までというルールがある。

・総合商社でよく言われる配属リスクがあり、配属先によっては興味の無いことを仕事にしなければいけない辛さがある。縦割りであり、業界をまたぐ異動はほぼ皆無。

・4年目までに海外研修があり、10年目までに2年間の海外実務研修に行くことが多い。

・社員同士は家族のように仲が良くアットホームな雰囲気である。

・風通しが良い社風であり、仕事が出来て尊敬出来る人が多い。一方で、40代以上の中には古い価値観を持っている人も一定数存在する。

・飲み会や芸の強制などのイメージがあるが、近年は価値観が変わっており、そのような強制は減ってきている。

・数字には細かく、基本的には「稼げる人が昇進する」というカルチャーである。

・若手のうちから裁量権があり、個人商店の集まり、もしくは野武士集団というイメージ。その分、横の連携はあまり強くない。

・人事は人事部ではなく、直属の上司が決める。そのため、ある程度社内政治的な要素も求められる。

1-4.三井物産

三井物産の特徴

・資源分野に強みを持っている。そのため、資源価格の影響を受けやすい。

三井物産の年収

平均年収:1,340万円


1~4年目:500~800万円
5年目:1,000万円
課長:1,500万円
チームリーダー:1,800万円
室長:2,000万円
部長:2,500万円

三井物産の離職率

『就職四季報(2019年度)』によると三井物産の入社3年目までの離職率は6.5%である。

大卒の入社3年離職率の平均は32%程度と言われており、三菱商事の離職率が相当低いことが分かります。

三井物産の文化・雰囲気

・若手でも仕事を任せる気風であり、成長の機会が多い。やりがいを感じる仕事も出来る。

・根拠を持ってやりたいことを主張すれば、任せてくれる環境。

・若手や中堅の能力が高く、ミドルアップの会社である。一方、マネジメント層には疑問符が残る。

・大企業ではあるが、組織は細かいチームの集まりというイメージ。

・個々の能力は全体的に高く、業務の質、量ともに高い。その分、能力が低い人にとっては非常に厳しい環境となる。

・稼いでいる部署(事業部)の立場が強く、管理部門、間接部門は弱い文化である。

・若手の人材育成に力を入れており、入社後1年間はマンツーマンでの指導をしてもらえる。また、入社6年目までに海外赴任を経験する制度もある。

・人事サイクルが早く、色々な部署を経験させる文化がある。

・横の連携は基本的には弱いが、以前と比較し、部門間交流が活発になっている。

1-5.住友商事

住友商事の特徴

・資源ビジネスでは、銅や金に強みがある。

住友商事の年収

平均年収:1,280万円


6~7年目:1,000万円
課長:1,400万円
部長代理:1,500万円
部長:2,000万円

住友商事の離職率

『就職四季報(2019年度)』によると住友商事の入社3年目までの離職率は2.7%である。

大卒の入社3年離職率の平均は32%程度と言われており、住友商事の離職率が相当低いことが分かります。

また、商社のなかでも特に住友商事の離職率は低い数値となっています。

住友商事の文化・雰囲気

・幅広い業務経験が出来るため、ビジネススキル全般を身につけるには良い環境。一方で専門性は身につきにくく、中途採用で補っている。

・コンプライアンス重視だが、商人気質な人も多く、気合い論で物事を解決する人も一定数いる。

・保身やそつなくこなすことを求められるため、革新的な動きなどは評価されにくい。「石橋を叩いて渡らない」と揶揄される。

・同業他社の三菱商事や三井物産と比較すると、待遇面で見劣りする部分はある。

・課長や部長などのミドルマネジメント層はバブル世代であり、古い価値観を押し付けてマネジメントを行う人も多い。

・事業の主軸がトレードから事業投資に移ってきており、事業会社の管理や予算策定のような業務が増えてきている。それに対して、モチベーションが湧かない若手の退職が増えている。

・内向きの仕事が多く、社内政治に長けている人が評価されることが多々ある。

・住友グループの基本的な考え方として、不利を追わず、堅実に社会の為になる事業を行い、利潤を得て再投資するというものがベースにある。

2.【まとめ】商社は高年収・低離職率だが、辞める若手が少しずつ増えている

いかがでしたでしょうか。

今回は総合商社についてまとめました。

どの企業も年収が非常に高く、さらに海外赴任によって上乗せされるといった日本でもトップクラスの好待遇でした。

配属先にもよりますが、やりがいの大きい仕事も多く、社員の満足度は全体的に高い印象でした。