【まとめ】大手通信キャリア4社の特徴や年収を口コミで比較してみた

この記事では、大手通信キャリアの実態を比較することを目的としている。

ちなみに、ここで言う大手通信キャリアとは下記の4社を指す。(正確にはNTT東西も大手通信キャリアにあたるが、今回は携帯電話事業者に限らせていただく。)

大手通信キャリア4社
  1. NTTドコモ
  2. KDDI
  3. ソフトバンク
  4. 楽天モバイル

ちなみに、私は今でこそITコンサルタントを名乗っているが、元々は大手通信キャリアの正社員として働いていた。(わさおのプロフィールはこちらから

そして、詳しくは言えないが、現在は業界全体を俯瞰する立場にある。

そのため、業界全体の実態は各通信キャリアで働いている人たちよりも詳しいと言える。

そんな私が、各社の口コミや私の見解を踏まえて、各社の実態に切り込みたいと思う。

今回比較した携帯通信キャリア4社

① NTTドコモ

NTTドコモは、NTTグループの中でも携帯電話を主に取り扱っている会社である。ちなみに、NTTは下記を主要5社として位置付けている。

NTT主要5社
  1. NTT東日本
  2. NTT西日本
  3. NTTコミュニケーションズ
  4. NTTデータ
  5. NTTドコモ

NTT主要5社の中でも、NTTドコモは最も売上高・利益額が高く、稼ぎ頭とされている。

参考:NTTについて
NTTは元々国営企業であり、全国に張り巡らされた莫大なインフラ資産を保有している。そのため、NTT以外の通信キャリアは自社でインフラを所有していないエリアはNTTに借りているのが実情である。NTT法というNTTを規制する法律やNTTグループの分割などが国主体で行われているが、通信事業者にとってインフラを保有していることのメリットは大きい。

NTTドコモの概要

会社名株式会社NTTドコモ
設立1991年8月14日
本社東京都千代田区永田町二丁目11番1号
山王パークタワー
売上高4兆8,408億円4,900万円(2019年3月期)
営業利益1兆136億4,500万円(2019年3月期)
従業員数連結:26,564人 単独:7,884人(2019年3月31日現在)

NTTドコモの年収

NTTドコモの年収や874万円であり、平均年齢は40.2歳である。

なお、職種別の年収は以下の通り。

一般:500~700万円
主査:850万円
課長:1,100万円
部長:1,500万円

NTTドコモの激務度

NTTドコモの平均残業時間は19.8時間/月である。

勤務時間は厳しく管理されており、サービス残業はほぼ存在しない。

有給休暇の取得率も高く、ワークライフバランスの取りやすさという意味では日本でもトップクラスと言える。

NTTドコモの組織文化

・仕事以外のことを一生懸命取り組む会社。「ルールや流れを守る」「正しく処理する」「様々なことに合わせる」が業務時間の中心を占める。

・NTT3大回し「社内回し」「根回し」「たらい回し」が重要視される。

・「就社」のイメージで入る人が多く、転職しながらキャリアを積んでいくという考えの人がほとんどいない。

・福利厚生が厚く、住宅手当や扶養手当など社員の助けになる制度が多くある。

・変革という言葉が好きだが、典型的な大企業。意思決定が遅く、チャレンジングな仕事が出来る人はごく一部。

・圧倒的にプロパー文化であり、人が辞めないためポストが詰まっており、中途組の出世は難しい。

・担当業務毎に非常に細かく部署が分かれており、ほとんどの業務が複数の部署の作業や認可を必要とするため、何をするにも時間がかかる。

・社内の重要な箇所には必ずと言っていいほど、コンサルティング会社が入っており、社員の言うことよりもコンサルの言うことを採用する傾向にあるため、モチベーションが下がる一因となっている。

NTTドコモはこんな人におすすめ

NTTドコモは高学歴かつライフワークバランスを重視したい人におすすめの企業である。

年収もそれなりに高く、残業時間も多くないことから典型的なホワイト企業と言える。

ただし、仕事が面白いかどうかは別問題である。

技術系として通信技術に興味がある人は良いが、新卒文系でNTTドコモに入社すると営業になる確率が高い。

NTTドコモはKDDIやソフトバンクと異なり、基本的に携帯電話しか取り扱っていないため、仕事で出来る範囲は狭い

新卒文系の人は、携帯電話ショップのマネジメントや携帯電話を売る法人営業としての仕事に魅力を持てるかどうかを十分に考慮すべきである。

それでも構わないという人は、入社することをおすすめする。

ちなみに、中途採用の場合は基本的にポジション採用のため、やりたい仕事が出来るのであれば、おすすめ出来る。

② KDDI

KDDIは2000年にDDI、KDD、IDOという3社が合併してできた会社であり、それぞれ以下のような違った特色を持つ。

 ● DDI:1985年の通信の自由化に伴い稲盛和夫氏によって設立された会社。KDDとIDOは実質DDIに吸収された形のため、合併してしばらくは力関係が上だった。別名は第二電電。

 ● KDD:1953年に国際通信電話の整備のために設立された国営企業。国際通信の分野でKDDIが強いのはKDDの名残があるからである。お役所体質が強い。別名は国際電信電話。

 ● IDO:1987年にトヨタ、東京電力、中部電力、日本高速通信を中心に設立された携帯電話の事業会社。KDDIに合併された後もこれらの会社とは繋がりがある。

3社3様の文化を持った企業が合併したのがKDDIであり、出身母体によって社員の傾向は異なる。

また、各社とも対NTTという名目で設立された企業であることから、全体的にNTTに対しての対抗意識は強い会社ともいえる。

KDDIの概要

会社名KDDI株式会社
設立1994年6月1日(DDI設立日)
本社東京都千代田区飯田橋三丁目10番10号
ガーデンエアタワー
売上高5兆2,372億円2,100万円(2019年3月期)
営業利益1兆252億3,700万円(2019年3月期)
従業員数連結:44,952人 単独:10,892人(2019年3月31日現在)

KDDIの年収

KDDIの平均年収は953万円であり、平均年齢は42.2歳である

なお、職種別の年収は以下のとおり。

一般:350~500万円
主任:600~750万円
課長補佐:800万円
GL・支店長:1,200~1,400万円
部長:1,500万円以上

KDDIの激務度

KDDIの平均残業時間は26.3時間/月である

NTTドコモと同じく、勤怠管理はかなり厳しくなっており、基本的にサービス残業は無い。

働き方改革が叫ばれてきた2017年前後から勤務時間に対する意識が強くなってきたが、それまでは激務な部署も存在していたようである。

いずれにしても現在はそれほど激務ではなく、ワークライフバランスが取りやすいホワイト企業である

KDDIの組織文化

・若手に仕事が集中し、高年齢社員はあまり働かない人の割合が多い。そのため、無駄な人員や仕事が少なからずある。

・数字を追いかけるが、未達の場合はきちんと理由を説明し、改善する文化が根付いている。

・事業本部が変わると別会社と言ってよいほど組織文化が異なる。そのため、事業本部跨ぎの異動は転職に近い。

・ゆるく働いてそれなりに給料がもらえるため、ワークライフバランスを維持したい人にとっては良い会社。

・コンシューマ営業は代理店に対する間販営業であり、本部から与えられた数字や意向をショップまで浸透させることがミッション。担当する代理店に数字が左右されることが多く、現場営業の裁量は少ない。

・典型的な大企業体質で風通しが良いとは決して言えない。

・全体的にガツガツした人は少なく、物腰の柔らかい人が多い。

・色々な会社が合併しているため、出身会社によって価値観は異なるが、全体的には真面目な役所的な企業風土で、コンプライアンスには厳しい。

・稲盛イズムであるKDDIフィロソフィーという独自の企業理念があり、定期的に研修も行っている。

③ ソフトバンク

ソフトバンクは国内通信事業を担うソフトバンクグループの子会社である。

ソフトバンクは子会社ながらもソフトバンクグループとは別に東証一部に上場しており、若干ややこしい関係となっている。

両者を簡単に分けると以下のようになる。

 ●ソフトバンクグループ:持ち株会社。代表取締役は孫正義。売上高6兆1851億円。営業利益マイナス1兆3646億円。

 ●ソフトバンク:ソフトバンクグループの子会社。国内通信事業を担う。代表取締役は宮内謙。売上高4兆8612億円、営業利益9117億円。

ソフトバンクを語る上で両者の違いは意識しておかなくてはならない。そして、この記事では、通信子会社の「ソフトバンク」を前提とさせていただきたい。

ソフトバンクの概要

会社名ソフトバンク株式会社
設立1986年12月9日
本社東京都港区東新橋一丁目9番1号
売上高4兆8,612億円(2019年3月期)
営業利益9,117億円(2019年3月期)
従業員数連結:17,200人(2019年3月31日現在)

ソフトバンクの年収

ソフトバンクの平均年収は733万円であり、平均年齢は40.5歳である

なお、職種別の年収は以下の通りである。

G1:350~500万円
G2:500~620万円
G3:620~800万円
G4(課長):800~1,000万円
G5(部長):1,000~1,400万円
G6(本部長):1,400万円以上

NTTドコモやKDDIよりも平均年収が低いのは、通信事業としての利益率の違いが大きい。

固定通信で言うと、NTTやKDDIが自社網を持っているのに対して、ソフトバンクは回線を借りている。

また、モバイル通信で言うと、3社のなかで最も後発のため、設備投資や営業費用に大きなコストがかかったという経緯がある。

ちなみに、「ソフトバンクグループ」は平均年収が1,253万円となっているが、これは少数精鋭の持ち株会社だからである。

ソフトバンクの組織文化

・スピード、コスト、効率化が主な判断軸となっている。そのため、少ない人員で業務を行っており、慢性的に人手不足の部署が多い。

・慢性的に業務過多となっていることから、業務の押し付け合いが発生している。そのため、協力して業務を行うことがあまり見られない。

・明らかに誤った方針でもうまくいったようにスピード感を持って報告出来るかが評価のキモ。

・良くも悪くも自ら発言し、手を上げないと聞き入れてくれない文化。

・孫会長の経営手法が踏襲されていることから全社的にコスト意識が非常に強い。その分、サービス品質は低くなっている。

・管理職以上の社員は上司、同僚、部下の360度評価を受ける仕組みになっており、ソフトバンクバリューを体現できていない社員はポジションの見直しが入る。

・ソフトバンクバリューが企業文化となっている。「努力って楽しい」をモットーに、「No.1」「スピード」「逆算」「挑戦」「執念」という5つの理念を経営陣は重視している。

・営業や企画系は見栄えの良い資料でうまくアピール出来る人や目立つ人が出世しやすい。一方、エンジニア系は年功序列のイメージ。

・営業系はタスクも多く、プレッシャーもあるため、内勤系の部門よりシビアな環境である。しかし、給料に差があるわけではないため、不満の一因となっている。

④ 楽天モバイル

楽天モバイルは今回紹介する通信キャリアでは最も後発であり、自社網による携帯電話サービスを開始したのは2020年3月からとつい最近である。

最も後発であることを活かし、楽天のモバイル網は仮想技術により極力基地局コストがかからないような設計になっている。

基地局の設置場所やiPhoneの取り扱いなど課題は多いが、個人的には期待したいキャリアの一つである。

ちなみに、楽天モバイルのネットワーク関連事業者については下記の記事を参考にしてほしい。

【まとめ】楽天モバイルにおける4G/5Gモバイルネットワーク関連事業者についてまとめてみた

楽天モバイルの概要

会社名楽天モバイル株式会社
設立2019年4月1日
本社東京都世田谷区玉川一丁目14番1号
楽天クリムゾンハウス
売上高
営業利益
従業員数

楽天モバイルの年収

楽天モバイルは、平均年収690万円であり、平均年齢は30歳前後である

なお、職種別の年収は以下のとおり。

一般:400~600万円
マネージャー:700万円
シニアマネージャー・課長:1,000万円

楽天モバイルの組織文化

・会社として新陳代謝が活発であり、新卒、中途ともに優秀な人材が入れ替わっている。

・三木谷さんからのオーダーは絶対で、社長案件と呼ばれ、スピーディに進む。そのため、朝令暮改もざらにある。

・楽天市場の営業は、トップダウンで体育会系の文化。若手の割合が多く、組織として未成熟。

・数字を重視しており、何かと定量的なものを求められる。

・ベンチャー精神、開拓者精神を良しとする。

・70以上のサービスを擁しているが、核になる事業はECと金融のみ。

・人を育てる文化はあまり無い。ただし、ガツガツと自分で仕事を取りに行く人にはチャンスは多い。

・英語が公用語のため、外国人比率も高い。社長同席の会議は必ず英語を使う。ただし、部署によってはほとんど英語を使わないところもある。

【まとめ】通信キャリアはホワイトな業界である

いかがだろうか。

この記事で紹介したとおり、通信キャリアは全体的に年収が高く、ワークライフバランスも取りやすいホワイトな業界である。

この理由としては、業界自体が競争に晒されにくく、各社が高利益をキープしているからに他ならない。

働く人にとっては非常に良い業界だと言える。

*各社のコメントはOpenWork等から抜粋しております。

OpenWorkのHPはこちら

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