ベイカレント・コンサルティングは、日本発の総合コンサルティングファームです。戦略からITまで手広く手掛けており、近年はかなりの勢いで成長している企業です。
2016年に東証マザーズに上場し、2018年には東証一部に市場変更しております。
今回は、ベイカレント・コンサルティングとはどんな会社なのかを徹底解説したいと思います!
目次
1.ベイカレント・コンサルティングとはどんな会社なのか?
ベイカレント・コンサルティングの基本情報は以下の通りです。
会社名:株式会社ベイカレント・コンサルティング
本社:日本
所在地:東京都港区虎ノ門1-23-1 虎ノ門ヒルズ森タワー9階
設立年月日:2014年
従業員数:2,058名 (2020年2月現在)
資本金:282百万円
売上高:約329億円(2020年2月期)
ベイカレントは、売上・利益とも右肩上がりで成長しています。
1-1.ベイカレント・コンサルティングの組織
ベイカレント・コンサルティングの組織は、他のファームと異なる特徴が一つあります。
それは、コンサルタントの「ワンプール制」を採用している点です。
一般的にコンサルティングファームのコンサルタントは、業界(インダストリー)軸もしくは機能(ファンクション)軸による組織に所属しています。
例えば、業界軸であれば、官公庁、自動車業界、通信業界などを専門とする組織、機能軸であれば、会計、人事、ITなどを専門とする組織です。
しかし、ベイカレント・コンサルティングは、上記の業界や機能に縛られずに、プロジェクトのアサインベースで何をやるかが決まります。
これによって、各専門性は身に付きにくい分、幅広い分野の経験が出来るというメリットが生まれます。
コンサルタントは、若いうちに色々な経験をすることで、自身のスキルを広げることに繋がりますので、この組織形態は若手にとっては特にメリットが大きいと言えると思います。
一方、自分の進みたい分野が決まっている人にとっては、デメリットかもしれません。
1-2.ベイカレント・コンサルティングの主なサービス
ベイカレント・コンサルティングのサービスは大きく4つに分かれます。
- 戦略
- デジタル
- オペレーション
- テクノロジー
ここでは、具体的なサービスを紹介したいと思います。
戦略
- 全社戦略/事業戦略
- 海外進出
- マーケティング戦略
- M&A/JV構築/アライアンス
- グローバル・リソース活用
(拠点、人材、ソーシング、アセット) - 営業戦略
- ターンアラウンド
- グローバル・ガバナンスの設計
- ビジネス・デューデリジェンス
- イノベーション/新規事業立上げ
- インバウンド需要の取込みに向けた変革
デジタル
- DXによる将来像構想
- AI
- IoT実装
- デジタル部門立上げ
- DX戦略/ロードマップ策定
- ブロックチェーン活用
- デジタル人材育成
- ビジネスモデルDX
- Fintech/Insurtech
- デザイン思考
- アジャイル
- オペレーションDX
- デジタルマーケティング
- リーンスタートアップ
オペレーション
- 調達コスト削減
- CRM・企業ガバナンスの設計
- 業務効率化
- リスクマネジメント
- オペレーション改革/標準化
- SCM・バリューチェーン改革
- 経営幹部/人材育成
テクノロジー
- IT戦略
- IT組織の体質改善
- ITアーキテクチャー
- ITガバナンス
- IT人材育成
- システム設計
- 開発
- ITコスト削減
- PMO
- IT資産評価
1-3.ベイカレント・コンサルティングの前身は?
ベイカレントの前身は、ピーシーワークスという会社で、SEなどのIT人材を派遣する会社です。
創業約20年の若い会社であり、勢いがあるカルチャーです。
1-4.ベイカレント・コンサルティングの強み
低コストによる価格競争力
外資系コンサルティングファームなどと比較すると、コンサルフィーが安価のため、価格競争により案件を受注しやすいというメリットがあります。
これは、コンサルタント自体の単価が安いというのもありますが、外資系ファームと異なるのは、海外本社への管理費用が不要というものも大きいです。
構造的に低コストになっているため、景気下降局面にも強い企業と言えます。
戦略から実行までワンストップで提供可能な体制
ベイカレント・コンサルティングは、上流から下流までトータルで包括的なサービス提供が可能な総合系コンサルティングファームです。
特に、IT開発のプロジェクトに強く、昨今のデジタルトランスフォーメーションの流れにうまく乗っています。
実際にベイカレント・コンサルティングの売上は右肩上がりで、規模も拡大し続けています。
営業とコンサルタントの分業による高稼働率
ベイカレント・コンサルティングの特徴の一つとして、営業担当(BP)とコンサルタントが完全に分業されているという点が挙げられます。
他ファームでは、コンサルタントが案件獲得も兼ねることが多いですが、ベイカレントでは、案件獲得は営業の仕事になっています。
そのため、コンサルタントは、プロジェクトに集中できる環境であり、高い稼働率を維持することが可能になっています。
ちなみに、営業担当は案件を獲得してくるという側面から、社内では強い力を持っている。また、コンサルタントを人事評価するため、営業との関係を築くことが重要になる。
【参考】ベイカレント・コンサルティングの関連書籍
1-4.ベイカレント・コンサルティングの弱み
「ワンプール制」による専門性の欠如
前述した通り、ベイカレント・コンサルティングは、「ワンプール制」をとっており、業界や専門知識に縛られずに色々なプロジェクトにチャレンジ出来ます。
これによって、幅広い経験が出来るというメリットがありますが、反対に専門性を身に付けにくいというデメリットもあります。
組織として、専門性を保有しづらく、各個人のスキルやナレッジはバラバラになります。
どんなプロジェクトでもこなせる汎用性を持ったコンサルタントが多いため、人材派遣型のプロジェクトは受注しやすい一方で、専門性を要するプロジェクトは他ファームに後れをとっています。
2.ベイカレント・コンサルティングの年収と年齢
2-1.年収
930万円
なお、各役職における年収は以下のようになっております。
ちなみに、外資系コンサルティングファームから転職すると、役職が1つか2つは上がる傾向にあります。
例えば、他ファームで「コンサルタント」クラスの人は、ベイカレント・コンサルティングでは、「マネージャー」として採用されます。
逆に、ベイカレント・コンサルティングから他ファームに転職しようとすると、タイトルが下がる場合があるため、注意が必要です。
- アナリスト:350~600万円
- コンサルタント:600~800万円
- マネージャー:800~1,000万円
2-2.年齢
ちなみに、各役職における年齢は概ね以下の通りです。
- アナリスト:20代
- コンサルタント:26~39歳
- マネージャー:30~50歳
もちろん、出世のスピードや経験年数によって変わってくるため、あくまでも目安として考えてください。
ちなみに、マネージャー以上は年齢が幅広いため、どの年齢でも違和感はなく、働ける環境にあるかと思います。
3.ベイカレント・コンサルティングの入社難易度
62
なお、各コンサルティングファームの入社難易度は下記の通りです。
77 マッキンゼー・アンド・カンパニー
76 ボストンコンサルティンググループ
75 ベイン・アンド・カンパニー
====MBBの壁====
【東大京大(法・経済・理系大学院卒)・有名海外大学以上】
74 Strategy& (旧:Booz) Oliver Wyman
73 ローランド・ベルガー
72 経営共創基盤(IGPI) ZSアソシエイツ
71 Mercer A.T.カーニー ドリームインキュベータ
70 アーサー・D・リトル L.E.K.コンサルティング
69
68 アクセンチュア(戦略)
67 コーポレイトディレクション 野村総合研究所(コンサルタント)
====Big4の壁====
【東大・京大・一橋・東工・早慶上位(法・経済・政経・理工)】
66 IBM(コンサルタント) 三菱UFJリサーチ&コンサル L.E.K Consulting デロイト
65 リヴァンプ クニエ アクセンチュア(非戦略) pwc
64 IBM(IT) 野村総合研究所(ITソリューション) NTTデータ経営研究所 日本経営システム
63 アビームコンサルティング シグマクシス 日本総合研究所(コンサルタント) KPMG EY
====まともなコンサルの壁====
【早慶下位(その他)・大阪上智理科ICU・旧帝下位・上位国立以上が内定者一般層】
62 日立コンサルティング 大和総合研究所(リサーチ) ベイカレント・コンサルティング
61 みずほ総研(コンサルタント) 日本総研(IT)
60 富士通総研 大和総研(IT) 日本能率協会コンサルティング
59 価値総合研究所 社会経済生産性本部 トーマツイノベーション
====辛うじてコンサルと呼べる壁====
58 インタープライズコンサルティング プラウドフットジャパン ケンブリッジテクノロジーパートナーズ
57 シンプレクス
56 レイヤーズコンサルティング スカイライトコンサルティング ビジネスブレイン太田昭和
55 山田ビジネスコンサルティング フューチャーアーキテクト 船井総研 ANDNA(ISIパートナーズ)
naverより引用
ベイカレント・コンサルティングは、年収が高水準となっており、東大生や京大生からも人気の企業になってきています。
4.ベイカレント・コンサルティングの評判・口コミ
4-1.良い評判の口コミ
・良い意味で実力主義が根付いており、実力がある人が評価される文化。クライアントからの評価が大きく評価されるため、公平感が強い。
・自由で風通しの良い文化であり、上司と担当の立ち位置はフラット。プロジェクトや評価について意見を言うことも受け入れてもらえる。
・営業は体育会系の文化、コンサルタントは、様々なファーム出身者がいるため、決まった文化は特になく、働く人次第で変わる。
・人材派遣系のプロジェクトが多いが、近年は高単価の戦略系案件も増えてきている。
・ベンチャー気質が強く、役員や経営者との距離が近い。
・希望に近いプロジェクトにアサインしてもらえる文化。
・仕事に熱意を持っている人が多く、妥協を許さない文化が根付いている。
・実力がある人はお金で返ってくる文化。成果が出ている人は定期評価により、年収・ボーナスアップが見込める。
4-2.悪い評判の口コミ
・営業は数字で評価されるため、クライアントのためというよりは、自社のためにプロジェクトを取るような傾向がみられる。
・人材派遣会社がルーツのため、コンサルティングを売るというよりは、人材を売るという考えが強い。そのため、専門性が身に付きにくい。
・チームやプロジェクトによっては、残業時間がかなり長い。
5.ベイカレント・コンサルティングの採用試験対策
ベイカレント・コンサルティングの採用試験対策について解説します。
ちなみに、ベイカレント・コンサルティングへの入社を狙うのであれば、まず、複数の転職エージェントに登録することが必須となります。
下記の記事でコンサルタントになりたい人におすすめの転職エージェントをまとめておりますので、最低でも2社は必ず登録したほうが良いです。
ベイカレント・コンサルティングが求める人物像
・自主性がある人を重視する文化
・クライアントファーストで物事を考えられる人
中途採用でベイカレント・コンサルティングに入社出来る人材はどのような人か
ベイカレント・コンサルティングでは中途の大量採用を行っているため、従来より門戸が広がっていますが、その分人気も上がっているのが実情です。
その背景として、現在の社長が働き方改革を積極的に推進しており、以前のようなブラック企業体質がかなり薄まっていることが要因です。
また、IT系のプロジェクトが多く、時流に合っていることも人気が上がっているの理由の一つです。
では、ベイカレント・コンサルティングに中途採用で入社出来る人材はどのような人か、大きく分けると下記4パターンとなります。
➀ポテンシャル人材:年齢が比較的若く、高学歴かつ面接の印象が良い人材
②コンサル経験者:コンサルティングファーム出身者
③事業会社経験者:クライアントの業務に精通していたり、業界知見が豊富な人材
④高スキル人材:AI・クラウド・SAPなどの高需要なスキルを経験・保有している人材
上記に当てはまらない場合は、残念ながら書類選考で落とされる可能性もあります。(ベイカレント・コンサルティングに限らず、総合系コンサルティングファームは大体上記のような基準です。)
ベイカレント・コンサルティングの中途採用の面接対策
ベイカレント・コンサルティングの中途採用をクリアするために対策すべきことは下記3点です。それぞれ解説したいと思います。
①一般面接
②ケース面接
③資料作成
一般面接
採用の全体的な流れとして、この一般面接の形が基本形となります。よくある1対1での面談形式で行われます。
面接で聞かれる内容はオーソドックスなものですが、面談者のキャラクターや地頭の良さなどをチェックされていますので、想定される質問はあらかじめ答えを用意しておきましょう。(例えば、以下のようなものが想定されます。)
・自己紹介をお願いします
・自己PRをお願いします
・転職・退職理由を教えてください
・ベイカレントの志望理由を教えてください
・ベイカレントに入社後はどのようなキャリアを考えていますか
・ベイカレントで活かせるスキルは何かありますか
・転職活動の状況はいかがですか
ケース面接
ケース面接はコンサルティングファームではよく行われますが、一般的な企業ではあまり馴染みが無い方法です。
しかし、ケース問題はテクニックで解くことが可能です。
対策するとしないでは大きく結果が異なります。必ず事前に対策をしておきましょう。
ケース面接でチェックされるポイントは、2点です。
➀ロジカルシンキングが出来るか
②ロジカルな説明(アウトプット)が出来るか
問題への答えそのものよりは、答えを導くためのプロセスやそれを論理的に説明できるかなどを見られます。
ケース面接対策として、以下の書籍を読むことをおススメします。
■東大生が書いた 問題を解く力を鍛えるケース問題ノート
■過去問で鍛える地頭力
資料作成
ベイカレントに限らず、コンサルティングファームではアウトプット力を非常に重要視します。そのため、資料作成を課して、アウトプット力を測ることもあります。
資料作成スキルは一朝一夕で身に付くものではないのですが、本サイトの下記2つの記事は最低限読んでおいてください。
【入門編】現役外資系コンサルが教える!資料作成の8ステップ上記以外にも資料作成の対策になるような記事がありますので、ざっと読んでみてもらえればと思います。
ベイカレントの最終面接
ベイカレントの中途入社の最終面接は、ほぼ意思確認の場と考えてよい。
ベイカレントの場合、書類選考や一次面接で多くの人がふるい落とされるため、最終面接まで通過したならば、スキルや経験などに問題はないだろう。
志望理由などの基本的なQA対応は想定した上で、自信をもって臨むべきである。
面接の時間を取ってくれたことに感謝の気持ちをもって面接に臨むとよい。
6.【まとめ】ベイカレントはIT分野の事業拡大により、好業績の企業
いかがでしたでしょうか。
今回はベイカレント・コンサルティングについて徹底分析しました。現在、急拡大中のベイカレント・コンサルティングが今後どのように変わっていくのか、同じコンサル業界の人間として楽しみにしております。
また、『【まとめ】コンサルティングファーム20社の実態を比較してみた。年収は?激務度は?』についても合わせて読んでみてください。
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