プライスウォーターハウスクーパース(以下、PwC)は、世界158ヶ所で約26.6万人の従業員数を誇る世界最大規模のコンサルティングファームである。
デロイトトウシュトーマツ、KPMG、アーンスト・アンド・ヤング(EY)と並び、世界4大会計事務所・コンサルティングファーム(Big4)の一角を占める。
この記事では、PwCとはどんな会社なのかを徹底解説したい。
目次
1.PwCとはどんな会社なのか?
PwCの基本情報は以下の通りです。
会社名:プライスウォーターハウスクーパース
本社:イギリス
日本支社所在地:東京都千代田区大手町1-1-1 大手町パークビルディング
設立年月日:1849年
従業員数:266,000名 (2019年1月現在)
連結売上高:約424億USドル(2019年4月期)
1-1.PwCの組織
PwCコンサルティングは、大きく下記の4つに分かれる。
- ストラテジーコンサルティング
- マネジメントコンサルティング
- テクノロジーコンサルティング
- リスクコンサルティング
それぞれについて説明したい。
(1)ストラテジーコンサルティング
Strategy&は、実践的な戦略コンサルティングを担うグローバルなチームとして、クライアントと共に困難な問題を解決し、大きな機会を実現し、本質的な競争優位を獲得することを支援している。
100年に以上の戦略コンサルティングの経験と、比類のない業種別・機能別のケイパビリティを提供し、クライアント企業のトランスフォーメーションを実現する。
(2)マネジメントコンサルティング
複雑に変化し続けるビジネス環境の中で、経営課題解決のためにバリューチェーン全体をカバーする、さまざまなソリューションを通じて、クライアントのグローバリゼーション、デジタリゼーション実現に向けた変革を支援する。
(3)テクノロジーコンサルティング
ビジネスにおけるテクノロジー活用の専門チームとして、IT戦略・企画構想からデジタル、アナリティクス、サイバー、クラウド、ビジネスアプリケーション導入などIT技術に関する多様なサービスのプロフェッショナルを擁している。
ITを活用した業務改革にとどまらず、先端のデジタル技術を融合・活用したビジネスイノベーションから、グローバル拠点横断でのシステムの設計/導入、マネージドサービスの提供まで、クライアントの課題解決のパートナーとして、総合力を生かしたコンサルティングおよび専門サービスを提供している。
(4)リスクコンサルティング
リスクや規制を熟知したプロフェッショナルを擁し、規制およびビジネス上のリスクの予防・対応・改善といった高度なガバナンス体制の構築を支援する。
また、会計不正、贈収賄、汚職の調査の調査と管理体制の構築支援、eディスカバリー(電子証拠開示)対応といったフォレンジックに関するサービスを提供する。
グローバルネットワークによる最新事例とベストプラクティスの共有によって、常に複雑化する企業リスクに対して最適なソリューションの実現を目指す。
1-2.PwCの強み
ワンストップで様々な案件に対応できる規模
PwCは、グローバルに157ヶ国743都市、236,000以上の人員が所属しており、世界でも有数の規模のコンサルティングファームです。
会計系のファームのため、監査、コンサルティング、ディールアドバイザリー、税務、法務に特に強みを持っていますが、ITなどの案件も手掛けており、いわゆる総合系コンサルティングファームに位置付けされます。
また、クロスボーダーの案件数No1とも言われており、各国の連携も積極的に行われているという事実があります。
1-3.PwCの弱み
急激な規模拡大による質のバラつき
PwCは急激な規模拡大を続けているため、人材の質にバラつきが出ております。これは規模拡大している総合系コンサルティングファーム全体に言えることですが、昔に比べると人材の質は低下しています。
ただ、案件自体がそれほど難易度が高くないものも増えてきているため、それでも問題ないという現状もあります。
2.PwCの年収と年齢
2-1.年収
900万円
なお、各役職における年収は以下のようになっております。
- アソシエイト:500~650万円
- シニアアソシエイト:600~900万円
- マネージャー:900~1,300万円
- シニアマネージャー:1,200~1,500万円
- ディレクター:2,000万円以上
2-2.年齢
ちなみに、各役職における年齢は概ね以下の通りです。
- アナリスト:20代
- シニアアソシエイト:26~39歳
- マネージャー:30~50歳
- シニアマネージャー:35歳~50歳
- ディレクター:39歳~60歳
もちろん、出世のスピードや経験年数によって変わってくるため、あくまでも目安として考えてください。
ちなみに、マネージャー以上は年齢が幅広いため、どの年齢でも違和感はなく、働ける環境にあるかと思います。
3.PwCの入社難易度
68(Strategy&)
65(PwC)
なお、各コンサルティングファームの入社難易度は下記の通りです。
77 マッキンゼー・アンド・カンパニー
76 ボストンコンサルティンググループ
75 ベイン・アンド・カンパニー
====MBBの壁====
【東大京大(法・経済・理系大学院卒)・有名海外大学以上】
74 Strategy& (旧:Booz) Oliver Wyman
73 ローランド・ベルガー
72 経営共創基盤(IGPI) ZSアソシエイツ
71 Mercer A.T.カーニー ドリームインキュベータ
70 アーサー・D・リトル L.E.K.コンサルティング
69
68 アクセンチュア(戦略)
67 コーポレイトディレクション 野村総合研究所(コンサルタント)
====Big4の壁====
【東大・京大・一橋・東工・早慶上位(法・経済・政経・理工)】
66 IBM(コンサルタント) 三菱UFJリサーチ&コンサル L.E.K Consulting デロイト
65 リヴァンプ クニエ アクセンチュア(非戦略) pwc
64 IBM(IT) 野村総合研究所(ITソリューション) NTTデータ経営研究所 日本経営システム
63 アビームコンサルティング シグマクシス 日本総合研究所(コンサルタント) KPMG EY
====まともなコンサルの壁====
【早慶下位(その他)・大阪上智理科ICU・旧帝下位・上位国立以上が内定者一般層】
62 日立コンサルティング 大和総合研究所(リサーチ)
61 みずほ総研(コンサルタント) 日本総研(IT)
60 富士通総研 大和総研(IT) 日本能率協会コンサルティング
59 価値総合研究所 社会経済生産性本部 トーマツイノベーション
====辛うじてコンサルと呼べる壁====
58 インタープライズコンサルティング プラウドフットジャパン ケンブリッジテクノロジーパートナーズ
57 シンプレクス
56 レイヤーズコンサルティング スカイライトコンサルティング ビジネスブレイン太田昭和
55 山田ビジネスコンサルティング フューチャーアーキテクト 船井総研 ANDNA(ISIパートナーズ)
naverより引用
4.PwCの評判・口コミ
4-1.良い評判の口コミ
・いわゆる日系企業の面倒くささというものはない。飲み会強制などの理不尽な文化はないため、若手には過ごしやすい。
・Big4をはじめとした他の総合系コンサルティングファームよりも当たりが柔らかい人が多い印象。
・スキルアップのサポートが手厚く、転職者にも良い環境。社内eラーニング、語学学習の補助、グロービズの動画、本の要約サービスなどを無料で使うことができる。
4-2.悪い評判の口コミ
・チームワークを重視してもあまり評価されない。個人としてどれだけスキルがあるかが重視されるため、あまりナレッジの共有がされない。
・コンサル、監査法人など取り扱うサービスによって、事業部が異なり、文化が全く違う。そのため、それらの人たちが同じチームに入るとしばしば対立が起きる。
5.PwCの採用試験対策
PwCの採用試験対策について解説します。
ちなみに、PwCへの入社を狙うのであれば、まず、複数の転職エージェントに登録することが必須となります。
下記の記事でコンサルタントになりたい人におすすめの転職エージェントをまとめておりますので、最低でも2社は必ず登録したほうが良いです。
PwCが求める人物像
・様々な分野における最高の人材(多様性)
・専門性を統合し、付加価値を最大化(チームワーク)
・顧客サービスとプロフェッショナルとしての自負(共通の価値観)
中途採用でPwCに入社出来る人材はどのような人か
PwCでは中途の大量採用を行っているため、従来より門戸が広がっていますが、その分人気も上がっているのが実情です。
また、IT系のプロジェクトが多く、時流に合っていることも人気が上がっているの理由の一つです。
では、PwCに中途採用で入社出来る人材はどのような人か、大きく分けると下記4パターンとなります。
➀ポテンシャル人材:年齢が比較的若く、高学歴かつ面接の印象が良い人材
②コンサル経験者:コンサルティングファーム出身者
③事業会社経験者:クライアントの業務に精通していたり、業界知見が豊富な人材
④高スキル人材:AI・クラウド・SAPなどの高需要なスキルを経験・保有している人材
上記に当てはまらない場合は、残念ながら書類選考で落とされる可能性もあります。(PwCに限らず、総合系コンサルティングファームは大体上記のような基準です。)
PwCの中途採用の面接対策
PwCの中途採用をクリアするために対策すべきことは下記3点です。それぞれ解説したいと思います。
①一般面接
②ケース面接
③資料作成
一般面接
採用の全体的な流れとして、この一般面接の形が基本形となります。よくある1対1での面談形式で行われます。
面接で聞かれる内容はオーソドックスなものですが、面談者のキャラクターや地頭の良さなどをチェックされていますので、想定される質問はあらかじめ答えを用意しておきましょう。(例えば、以下のようなものが想定されます。)
・自己紹介をお願いします
・自己PRをお願いします
・転職・退職理由を教えてください
・PwCの志望理由を教えてください
・PwCに入社後はどのようなキャリアを考えていますか
・PwCで活かせるスキルは何かありますか
・転職活動の状況はいかがですか
ケース面接
ケース面接はコンサルティングファームではよく行われますが、一般的な企業ではあまり馴染みが無い方法です。
しかし、ケース問題はテクニックで解くことが可能です。
対策するとしないでは大きく結果が異なります。必ず事前に対策をしておきましょう。
ケース面接でチェックされるポイントは、2点です。
➀ロジカルシンキングが出来るか
②ロジカルな説明(アウトプット)が出来るか
問題への答えそのものよりは、答えを導くためのプロセスやそれを論理的に説明できるかなどを見られます。
ケース面接対策として、以下の書籍を読むことをおススメします。
■東大生が書いた 問題を解く力を鍛えるケース問題ノート
■過去問で鍛える地頭力
資料作成
PwCに限らず、コンサルティングファームではアウトプット力を非常に重要視します。そのため、資料作成を課して、アウトプット力を測ることもあります。
資料作成スキルは一朝一夕で身に付くものではないのですが、本サイトの下記2つの記事は最低限読んでおいてください。
【入門編】現役外資系コンサルが教える!資料作成の8ステップ上記以外にも資料作成の対策になるような記事がありますので、ざっと読んでみてもらえればと思います。
6.【まとめ】PwCはクロスボーダー案件が多い、プロフェッショナルファーム
いかがでしたでしょうか。
今回はPwCについて徹底分析しました。
また、『【まとめ】コンサルティングファーム20社の実態を比較してみた。年収は?激務度は?』についても合わせて読んでみてください。
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