プロジェクトマネジメントにおける上流工程と下流工程の違いについて

こんにちは。わさおです。

私の経験上、システム開発のプロジェクトマネジメントにおいて、上流工程と下流工程では求められる役割やスキルが異なります。

実際に、上流工程がうまくマネジメント出来る人でも、下流工程ではうまくいかない、またはその逆のケースをこれまで何度も見てきております。

では、具体的に上流工程と下流工程で求められるももにどういう違いがあるのか。

この記事では、それらを解説していきたいと思います。

1.上流工程のプロジェクトマネジメント

まず、上流工程が具体的にどのタスクを指しているかを定義します。

システム開発の全工程
システム開発の全工程

上の図で説明すると、「企画」「業務要件定義」「システム要件定義」「基本設計」「詳細設計」までを上流工程と定義します。この中でも特に重要なプロセスは、「企画」と「業務要件定義」です。

そして、この「企画」と「業務要件定義」の特徴は、”明確な答えが無い“ということです。

答えが決まっていないことを導くためには、知識だけではダメで、「自分の頭で考える」ことが非常に重要だと私は考えております。

例えば、A案とB案のどちらがプロジェクトにとって最善の選択肢かを関係者が納得する形でまとめる力が上流工程のプロジェクトマネジメントには求められます。

これを導くためには、「自分の頭で考える力」「大局観」「フレームワーク力」などが求められます。どちらかというと枝葉にとらわれずに、幹を捉えることが出来るような人に向いていると思います。

2.下流工程のプロジェクトマネジメント

一方、下流工程は、「開発・製造」「テスト」「受入テスト」「稼働準備」といったタスクにあたります。

下流工程のフェーズに入ると、プロジェクトとして、やることは決まっています。しかし、リリース期限が迫っており、かつタスクが多いため、これをいかにミスなく遂行するかというのが重要になってきます。

下流工程でのミスは、リリース時期に影響を与えるため、出来る限り不正で、影響を最小限にしなければなりません。

ミスを防ぐために重要なことは、関係者の役割と期限を明確にし、進捗をこまめに管理していくことです。

下流工程で発生しがちなミスは、「タスクの抜け漏れ」や「期限切れ」です。

これを防ぐには、”細部に目が行き届く、繊細さ”が求められると考えております。また、細かい管理作業を苦にしないようなタイプが向いていると考えております。

【まとめ】上流工程と下流工程のプロジェクトマネジメントの違い

まとめると以下のようになります。

 上流工程…答えが無い課題・状況をうまくまとめる力

 下流工程…役割、期限を明確にして、ミスが起こらないよう管理していく力

そのため、前者では、大局観やフレームワーク化ようなスキルが求められ、後者では、細部に気がつく力、進捗管理のようなスキルが求められます。

見てわかる通り、これらのスキルは相反するため、大抵はどちらかが得意で、どちらかが不得意になります。これは、性格に起因する要素でもあるので、両方を完璧にこなすのは難しいでしょう。

それを補うために、チームで協力しながらプロジェクトマネジメントをしたり、スキルを学んでいくことが重要だと考えております。

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