プロジェクト管理をパワーポイントとエクセルだけで行う方法について

プロジェクト管理を行うための最適な管理ツールは何か?

プロジェクトマネジメントを行ったことがある人であれば、誰しもが考えるテーマである。

ネット等でプロジェクト管理ツールを調べてみると、専用のソフトを使うのが管理もしやすく、最適だと意見が多数派のように感じる。

しかし、ITコンサルタントはクライアント先に出向くことも多く、ソフトを自由に使えないことも多いのが事実である。

したがって、私としては、エクセルやパワーポイントといった汎用的なソフトを使うことを推奨したい。

1.プロジェクト管理ツールの三種の神器とは

プロジェクト管理で必ず使いたいツールは下記3点である。これを私は三種の神器と呼んでいる。

 ①マスタースケジュール

 ②WBS

 ③課題管理表

なお、これら3点はそれぞれ役割が違うため、それを認識しないとうまく使えない。

最も気を付けるべきは、各ツールで管理するタスクの粒度である。それぞれのツールは役割が異なるため、当然、タスクの粒度も異なってくる。

ここを明確に意識しないと、どのタスクをどのツールに記載すべきかが分からなくなり、結局プロジェクト管理にうまく使えないということが起きる。

それぞれのツールで管理すべきタスクの粒度は下記の通りである。

 ①マスタースケジュール:各フェーズとプロセス

 ②WBS:成果物を軸にしたタスク

 ③課題管理表:WBSのタスクより粒度が細かいもの

①マスタースケジュール

マスタースケジュールは一番最初に作成すべき全体スケジュールである。

普段プロジェクトに関わらない人たちでも視覚的に把握できるようタスクの粒度は最も粗くて良い。具体的には、下記のような粒度で記載する。

■タスクの粒度

<企画フェーズ>

・PJ立ち上げ

・企画

・RFP作成

・ベンダー選定

・契約

<要件定義フェーズ>

・業務要件定義

・システム要件定義

<開発フェーズ>

・設計

・製造

・単体テスト

・結合テスト

・総合テスト

<受入テスト>

・受入テスト計画

・受入テスト準備

・受入テスト実行

<ユーザー研修>

・研修計画

・研修準備

・研修

<移行>

・データ移行

・本番移行

・稼働判定

<運用・保守>

・初期流動計画

・初期流動対応

・運用引継ぎ

・運用・保守

なお、マスタースケジュール作成のポイントは下記記事を参考にして欲しい。

②WBS

WBSはプロジェクトメンバー内で最も基本となる管理ツールである。ガントチャートと組み合わせて使うのが望ましい。

なお、1タスク1成果物になるようにタスクの粒度を洗い出す。

また、マスタースケジュールおよび課題管理表を連動させることで、WBSを中心としたプロジェクト管理を行うことが出来る。

なお、WBSに関しては、下記記事を参考にして欲しい。

【入門編】WBSをエクセルで作成する方法について解説します

③課題管理表

WBSに記載するには細かすぎるタスクについては、全て課題管理表に記入する。WBS上のタスクと課題管理表上の課題を紐づけることにより、WBS上のタスクがいくつ課題を保有しているのかが見える化される。

最もタスクが多くなるため、管理工数をかけすぎないようツールの作りをシンプルにすることを推奨する。

上記の通り、ITコンサルタントのプロジェクト管理としては、汎用的なソフトを使い、マスタースケジュール、WBS、課題管理表の3つを使うのがおススメである。

その際、各ツールを連動させることで使いやすさが格段に上がるので、是非試してほしい。

2.参考書籍

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