AWSで WordPress を構築する方法はいくつかありますが、最も手軽にセットアップできる代表的な方法として、この記事ではAmazon Lightsailを利用する方法で解説したいと思います。
【Amazon Lightsailとは】
Amazon EC2がコンピューティング環境のみを提供しているのに対し、Lightsailはコンピューティング、ストレージ、データ転送など、WebサイトやWebサービスなどに使うサーバーとして必要な機能を組み合わせ、1つにまとめたパッケージで提供されています。
そのため、Amazon Lightsailは、一般的なレンタルサーバーを利用するように、1つのサービスに申し込むだけでWebサイトやWebサービスを作ることが可能です。
1. Amazon Lightsailを利用する前の準備
1.1. LightsailでWordPressを構築するメリット
Amazon Lightsail は、AWS の中でも比較的シンプルな操作で仮想サーバを立ち上げられるサービスです。WordPress 用のテンプレート(Blueprint)があらかじめ用意されているため、数クリックで WordPress を動かすことができます。
1.2. 前提条件
① AWS アカウントを作成済みであること
② AWS にログインできること
ITスキルを高めたい人におすすめのスクールはこちら!!!↓
2.Amazon LightsailでWordpressを構築する手順
2.1.Lightsail コンソールへアクセス
AWS マネジメントコンソールにログインし、検索バーで「Lightsail」と入力し、Lightsail サービスを選択します。
Amazon Lightsail へ直接アクセスしても構いません。
2.2.インスタンスの作成
- 「Create instance(インスタンスの作成)」ボタンをクリックします。
- リージョン(サーバを設置する場所)を選択します。基本的にはユーザーに近いリージョンを選択するのが良いでしょう。
- Instance Image(イメージ) で「Linux/Unix」を選び、さらに「WordPress」を選択します。
- Lightsail は OS のみのイメージ選択(Amazon Linux, Ubuntu など)も可能ですが、WordPress を簡単に構築する場合は「WordPress」Blueprint を選びます。
- インスタンスタイプ(プラン)を選択します。
- 小規模なサイトであれば一番小さいプランでも良いですが、運用規模やアクセス数に応じてスペックを検討してください。
- インスタンス名を入力します。(必要に応じてタグ付けしても良いです。)
最後に Create instance ボタンをクリックすると、インスタンス作成が開始されます。
2.3.WordPress 管理画面へのアクセス準備
Lightsail のインスタンスが起動すると、ダッシュボードに表示されます。インスタンス名をクリックすると詳細画面を確認できます。
- パブリック IP アドレス を確認する。
- Lightsail 上で割り当てられているパブリック IP アドレスが確認できます。WordPress にアクセスする場合は http://割り当てIP でアクセスします。
- Static IP(固定IP) をアタッチする(推奨)。
- Lightsail のインスタンスに固定 IP を割り当てておくと、インスタンスを再起動しても IP が変わることなく運用できます。
- Lightsail の「Networking」タブなどから Static IP を作成し、インスタンスにアタッチします。
2.4.WordPress 管理画面にログイン
ブラウザで http://<インスタンスのパブリック IP>/wp-admin
へアクセスすると、WordPress のログイン画面が表示されます。
Lightsail WordPress イメージでは、初期の管理者パスワードがインスタンス内のログファイルに格納されているため、以下のようにしてパスワードを取得します。
- Lightsail コンソールのインスタンス一覧から、対象のインスタンスをクリック。
- 「Connect」または「SSH」をクリックし、ブラウザ上のターミナル(SSH接続画面)を開く。
- 以下のコマンドを実行: bashコピーする
cat /home/bitnami/bitnami_application_password
- コマンドの結果として表示される文字列が WordPress の管理者パスワードとなります。
- 管理画面(
/wp-admin
)のユーザー名はデフォルトでuser
になっている場合が多いです(Bitnami WordPress Blueprint など)。そこに先ほど取得したパスワードを入力してログインします。
2.5.WordPress の初期設定
- ログイン後、一般設定やパーマリンク設定、テーマのインストールなどを行います。
- セキュリティを高めるために初期ユーザー名やパスワードを変更する、不要なプラグインを削除するといった作業を行うと良いでしょう。
2.6.ドメインの設定
独自ドメインを使用する場合は、Lightsail コンソールの「Networking」タブや Route53 などで DNS レコードを設定し、Lightsail インスタンスのパブリック IP と紐づけます。

- Lightsail 上で DNS ゾーンを作成し、A レコードを固定 IP に向ける
- 他社で取得したドメインの場合は、そのレジストラの DNS 設定で Lightsail の固定 IP を向ける
ネームサーバーをawsに設定する際に、既存のネームサーバーで設定していたレコードをaws上に再設定することを忘れないようにしましょう。もし旧ネームサーバで設定していたMXレコードやTXTレコードを新しいネームサーバに反映し忘れると、メールが受信できなくなったり、ウェブサイトにアクセスできなくなったりすることがあります。
2.7.HTTPS(SSL/TLS)の有効化
最後に HTTPS 化しておくと信頼性やセキュリティが向上します。Lightsail では以下のような手順で設定できます。
- インスタンスに SSH 接続する。
- Bitnami 版の場合、
sudo /opt/bitnami/bncert-tool
を実行すると対話形式で Lets Encrypt 証明書を設定できます。 - 証明書更新の自動化(cron 設定)もツール内で設定されます。
詳細は以下のawsのホームページを参考にしてください。
これで、Lightsail を利用した WordPress 環境構築は完了です。