今回は経営コンサルタントが仕事で使うときのフレームワークについて紹介したい。
私が考えるコンサルタントの最も重要なスタンスは「ファクト」と「ロジック」で語るということである。その、ファクトとロジックを裏付けるために、コンサルタントは「理論」と「フレームワーク」を覚え、使いこなさなければいけない。
この記事ではそのうちのフレームワークについて五十音順で紹介したい。
なお、経営コンサルタントが覚えるべき「理論」については、以下の記事で紹介しているので、合わせて確認してみて欲しい。
【ブックマーク推奨】経営コンサルタントが覚えるべきビジネス理論(行動経済学・心理学など)1~9
●3C:自社・顧客・競合の観点
サービス開発、市場調査、自社分析などに使われる現状分析のためのフレームワークです。
・Company(自社)
・Customer(顧客)
・Compatiror(競合)
●4P:マーケティング
マーケティングの4Pとは、マーケティング戦略の立案・実行に使えるフレームワークである。
- Product(プロダクト:製品)
- Price(プライス:価格)
- Place(プレイス:流通)
- Promotion(プロモーション:販売促進)
●5W1H
A
●AIDMA:人が物を買うときのプロセス
・Attention
・Intereset
・Desire
・Memory
・Action
●AsIs/ToBe:現状とあるべき姿
現状とあるべき姿のギャップを分析し、ギャップを埋める。
E
●ECRS:業務を改善するための効率策検討
・Eliminate:取り除く
・Combine:統合する
・Rearrange(取り替える)
・Simplify(簡素化する)
I
●impact(実効性)/feasibility(実行性):打ち手を評価する
K
●KPT:業務を振り返り、今後のアクションを考える
業務の振り返りに使うためのフレームワーク
・Keep:継続すること
・Problem:改善すること
・Try:あたらに挑戦すること
O
●OARR:会議を実施する前の検討要素
Outcome | 目標、ゴール、成果物 |
Agenda | 検討項目、進行スケジュール |
Role | 役割分担 |
Rule | 規則 |
●OODA:目標達成のフレームワーク
米国空軍で開発された目標達成のフレームワーク。
「Observe (観察)」、「Orient (状況判断、方向づけ)」、「 Decide(意思決定)」、「Act (行動)」の頭文字をとったもの。
PDCAが計画から始まるのに対し、OODAは現場の観察から始まるため、機動性に長けている。柔軟な判断や迅速な実行が求められる。
P
●PDCA:改善のフレームワーク
一連の活動において継続的に改善をするために有効なフレームワーク。「Plan」「Do」「Check」「Action」を繰り返し、業務改善を行う。
●PEST:マクロな外的環境を分析
世の中の情勢を分析するためのフレームワーク。「Politics(政治)」「Economy(経済)」「Society(社会)」「Technology(技術)」の4軸で分析を行う。
●PM理論:リーダーシップのタイプを分類
リーダーのタイプを「Performance(目標達成機能)」と「Maintenance(集団維持機能)」の2軸で分析する。
●PPM(プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント):自社事業の位置づけを分析
縦軸に市場成長率、横軸に相対的マーケットシェア率で自社事業がどこに位置づけされるかを分析する。
- 花形:市場成長率高・マーケットシェア高
- 問題児:市場成長率高・マーケットシェア低
- 金のなる木:市場成長率低・マーケットシェア高
- 負け犬:市場成長率低・マーケットシェア低
●PREP法:分かりやすい説明の順番
Point:結論
Reason:理由
Example:具体例
Point:結論
●Pros/Cons
賛否。要はメリット・デメリットのこと。
Q
●QCD:Quality・Cost・Delivery
もとは製造業で使われていたフレームワーク。生産管理で重要な3要素「Quality(品質)」「Cost(費用)」「Delivery(納期)」を表す。生産管理に限らず、事業、サービス、業務など様々な場面で活用できる重要なフレームワーク。
R
●RACI:Responsible・Accountable・Consulted・Informed
レイシーと発音する。プロジェクトの各タスクにおいて関係者がどのような役割を担っているかを明確にするために使われる。「Responsible(実行責任者)」「Accountable(説明責任者)」「Consulted(協業先)」「Informed(報告先)」の4つを明確にする。
●RFM分析
自社の顧客情報を分析して優良顧客を特定する。顧客を「Recency(最新購買日)」「Frequency(購買頻度、累計購入回数)」「Monetary(累計購買額)」の3つの項目を切り口として分類・分析する。
S
●SMART:目標設定の質を高める
良質な目標設定をするためのフレームワーク。
- Specific(具体的か)
- Measurable(測定可能か)
- Achievable(達成可能か)
- Result-based(成果に基づいているか)
- Time-bound(期限はあるか)
●STP:Segmentation・Targeting・Positioning
誰に何を売るかを分析するかのフレームワーク。
●STPD:See→Think→Plan→Do
経営コンサルタントがよく使うフレームワーク。新しい取り組みを行うときにはこのフレームワークで進めるのが基本。
- See(見る):現状を把握し情報収集する
- Think(分析):収集した情報の分析と課題・論点整理
- Plan(計画):目標・スケジュール・タスクを設定する
- Do(実行):計画に基づいて実行する
●SUCCESs:良いアイデアを表すフレームワーク
下記6つの切り口でアイデアを磨き上げる
- Simple(単純)
- Unexpected(意外性)
- Uoncrete(具体的)
- Credible(信頼性)
- Emotional(感情)
- Story(物語)
●SWOT:自社の持っている強みと弱みを把握
「内部環境⇔外部環境」や「好影響⇔悪影響」の2軸で自社の強みと弱みを4象限で分析する。
- Strengths(強み):内部環境の好影響
- Weaknesses(弱み):内部環境の悪影響
- Opportunities(機会):外部環境の好影響
- Threats(脅威):外部環境の悪影響
T
●TAPS:理想と現実のギャップから解決策を導く
①ToBe(あるべき姿)
②AsIs(現状)
③Problem(問題)
④Solution(解決策)
V
●VRIO分析:自社の競争優位性を分析
- Value(経済価値)
- Rarity(希少性)
- Inimitability(模倣困難性)
- Organization(組織)
W
●Will/Can/Must:最も高いパフォーマンスが発揮できる場所を探す
●Will/Skill
人間の特性を表すフレームワーク。Will(やる気・意思)があり、Skill(能力)を持つ人材は貴重であり、育成すべき対象になる。
Y
●YWT:経験を学びに変えて次に活かす
Y:やったこと
W:分かったこと
T:次にやること
あ行
●アンゾフの成長マトリクス:自社事業の成長戦略を考える
●インプット/アウトプット
か行
●外的/内的:さまざまな分野に幅広く使える
●カスタマージャーニーマップ
認知から行動に移るまでのストーリーを分析する
●緊急度/重要度:物事の優先順位を決める
●原因/結果:問題解決の基本
まずは原因を特定し、それに対するアクションを加えることで結果を生む。
●コントロール可能/不可能:問題を切り分ける際に利用
さ行
●質/量
●主張/根拠:相手を説得するためには必須
●空雨傘:判断をする際の論理構成
空雨傘はコンサルティングファームでも使われるフレームワークです。
空ー「空は曇っている」(現状認識)
雨ー「雨が降りそうだ」(解釈)
傘ー「傘を持っていこう」(判断)
の3段階の思考パターンを表します。
どのような判断をするときにも、この3段階で考える癖をつけることで、論理的かつ客観的な判断をすることが出来るようになります。
な行
●なぜなぜ分析:問題を深堀する
は行
●バリューチェーン:企業活動を俯瞰する
①主活動(購買/物流 ⇒ 製造 ⇒ 出荷/物流 ⇒ 販売/マーケティング ⇒ サービス)
②支援活動(全般管理、人事/労務管理、技術開発、調達活動)
●パレート分析:貢献度の高い顧客・サービス・社員などを可視化
少数の人が大部分を占める現象をパレートの法則と呼ぶ。
●ビジネスモデル・キャンバス
アイデアをビジネスモデルへと発展させるための9つの要素。
- キーパートナー
- 主要活動
- 主なリソース
- 価値提案
- 顧客との関係
- チャネル
- 顧客セグメント
- コスト構造
- 収益の流れ
●ヒト・モノ・カネ・情報
組織の内部資源を整理するためのフレームワーク。
●費用対効果
●ファイブフォース:業界の競争構造を可視化
業界の競争構造や魅力度を分析するために下記5つの要因を切り口に可視化
- 買い手の交渉力
- 売り手の交渉力
- 業界内の競争
- 新規参入者の脅威
- 代替品の脅威
●物理的/精神的
ま行
●マズローの5大欲求
人間の欲求には5段階ある。「①生理的欲求」→「②安全欲求」→「③社会的欲求」→「④尊厳欲求」→「⑤自己実現欲求」
⑤自己実現欲求 | 自らの能力やあり方を高めて、理想とする自分を実現する |
④尊厳欲求 | 尊敬されたい |
③社会的欲求 | 他者とのつながりや愛情が欲しい |
②安全欲求 | 安全な生活を送りたい |
①生理的欲求 | 人が生きるための食欲や睡眠欲 |
●ミッション・ビジョン・バリュー:組織の在り方を定義
●ムリ・ムダ・ムラ:効率の悪い業務を洗い出して改善
●メリット/デメリット:打ち手分析の基本
打ち手を分析するための最も基本的なフレームワーク。
2.参考書籍
下記はケース問題を中心に取り扱った書籍である。ロジカルシンキングの練習になるので、興味がある人は是非手に取ってみて欲しい。