こんにちは。わさおです。
この記事では、Confluenceの基本的な特徴や使い方をおさらいしながら、他の競合製品との比較ポイントも加えて解説します。
初めてConfluenceを使う方にも分かりやすいように、なるべく専門用語を噛み砕いて説明しています。
目次
はじめに
ナレッジマネジメントの重要性は、リモートワークの普及やプロジェクトの大規模化により、ますます高まっています。社内に蓄積された情報を一元管理し、チーム全体で共有することは、業務効率化の大きなカギです。
そんな中、Wikiのようにページを作成・編集し、情報を集約できるツールとして人気を集めているのが、Atlassian社のConfluenceです。(Atlassian社はプロジェクトマネジメントツールのJiraも作っている会社です)
本記事では、Confluenceの基本的な使い方や運用のポイントを解説するとともに、他の競合製品と比較しながら、それぞれの強みや導入時の検討ポイントをお伝えします。
Confluenceとは何か
Confluenceは、チームコラボレーションとナレッジマネジメントを目的としたクラウドベースのツールです。ページという形で情報をまとめ、ドキュメントの共同編集やコメント機能を使ってスムーズなコミュニケーションが可能になります。
多くの企業では、メール、チャット、エクセル、ファイルサーバーなど、さまざまな場所に情報が分散しがちです。結果的に「最新版の資料がどれか分からない」「必要なファイルが見つからない」といった課題が生じます。Confluenceを導入すると、情報の“置き場所”を統一できるため、常に最新かつ正確な情報を誰もが簡単に確認・更新しやすくなります。
Confluenceの基本構造
Confluenceには大きく分けて次の要素があります。
- サイト (Site)
Confluence全体の最上位構造です。企業や組織のConfluenceを一括管理する“ホーム”のようなイメージです。 - スペース (Space)
プロジェクト、部署、製品、あるいはテーマなどに応じて情報をまとめる“入れ物”です。例:- 「開発部スペース」
- 「営業部スペース」
- 「新製品プロジェクトスペース」
- ページ (Page)
スペース内に作成されるドキュメント本体です。テキスト、画像、表、動画、ファイル添付など、多様なコンテンツを埋め込めます。 - ブログ (Blog)
イベント報告や社内ニュースを発信する際に使われる機能です。Confluence上で簡易的にブログ記事を作成し、共有できます。 - 添付ファイル (Attachment)
ExcelやPDFなどの外部ファイルをページに添付し、関連情報を一元管理できます。
Confluenceを導入するメリット
1. 情報共有の効率化
従来、情報がメールの添付やチャット履歴、ファイルサーバーに散らばっていた場合、探すのに時間と手間がかかります。
Confluenceなら、「あの資料はどこ?」という無駄なやり取りを削減し、知りたい情報にすぐアクセスできる環境を作れます。また、権限設定が柔軟なので、セキュリティを担保しつつ必要な情報を共有しやすいのも利点です。
2. コラボレーションの促進
ページのコメント機能や編集履歴により、複数人での同時作業やフィードバックが簡単に行えます。誰がいつどこを更新したか、アクティビティフィードから確認できるため、メンバーの作業状況を把握しやすいのも魅力です。
3. ドキュメントの最新版管理
メール添付で回覧していると、最終版がどれか分からなくなる問題が起こりがちです。Confluenceでは、ページのバージョンが自動管理されるため、常に最新版のみが表示され、過去の履歴も簡単に参照・比較できます。
4. 拡張性と連携のしやすさ
同じAtlassian製品のJiraやTrelloとの連携がスムーズなのはもちろん、プラグインやアプリを使った機能拡張が可能です。Slackなどの外部サービスと連携し、Confluenceでの更新情報をリアルタイムで通知させるといった運用も簡単に実現します。
Confluenceの競合製品と比較ポイント
ナレッジマネジメントや情報共有を目的とするツールは、Confluenceのほかにも多く存在します。代表的な競合製品としてNotion、esa、DocBase、SharePointなどが挙げられます。導入を検討する際の比較ポイントを以下にまとめます。
1. Notion
- 特徴: ブロックベースの直感的なUI、ドキュメントやタスク管理、データベースなどを1つのワークスペースで扱える。個人利用からスタートするユーザーも多い。
- メリット: デザイン性が高く、マウス操作だけでページを自由にレイアウトできる。テンプレートが豊富。
- 比較ポイント:
- Confluenceに比べ、ドキュメントのレイアウトの自由度が高い
- Atlassian製品(Jiraなど)との連携はConfluenceほどスムーズではない場合がある
- チーム規模やセキュリティ要件によっては、権限設定や監査ログなどが限定的になる
2. esa
- 特徴: 日本発の情報共有ツールで、エンジニアやベンチャー企業に人気。マークダウンベースの軽量なドキュメント作成が可能。
- メリット: 投稿単位が「記事」となり、GitHub感覚で管理できる。Slack連携なども充実。
- 比較ポイント:
- Confluenceに比べるとシンプルなUIで使いやすいが、マクロ機能などの拡張性はやや少ない
- マークダウンに慣れているエンジニアにはフィットしやすい
- Atlassianツールと本格的に連携したい場合はConfluenceのほうが柔軟
3. DocBase
- 特徴: チームドキュメント共有に特化したシンプルなUIを持つ日本製ツール。検索機能や権限管理、Slack連携が充実。
- メリット: フォルダ階層でドキュメントを整理しやすく、UIがとてもシンプル。
- 比較ポイント:
- Confluenceのような大規模組織や多機能連携を想定する場合はやや物足りない可能性
- シンプルで導入コストが低い分、管理機能や拡張機能は限定的
- 特徴: Microsoft 365の一部として提供される企業向けポータルサイト&ドキュメント管理プラットフォーム。WordやExcelとの連携が強力。
- メリット: 企業のActive DirectoryやOfficeツールとの統合がしやすく、大規模組織での導入実績が豊富。
- 比較ポイント:
- Microsoft環境との親和性は抜群だが、UIが複雑で学習コストがかかる場合がある
- ConfluenceほどWiki的な使いやすさやマクロの豊富さはない
- クラウド版 (SharePoint Online) とオンプレ版 (SharePoint Server) で機能に差異がある
まとめると、Confluenceは「Wiki型の使いやすさ+拡張性+Jiraとの連携」が強みです。NotionやesaなどはUIやマークダウンベースの編集性が優れており、個人や小規模チームが導入しやすい面があります。
一方で、Microsoft環境をフル活用したい組織にはSharePointが選ばれやすいなど、それぞれの製品が得意とする分野が異なります。
初めてConfluenceを使うときのステップ
ここでは、Confluenceを初めて触る方向けに、導入から基本的な使い方までのステップを簡単にご紹介します。
1. アカウント作成とログイン
- Atlassian公式サイトからConfluenceの無料トライアルを申し込みます。
- Atlassianアカウントを作成し、ログインします。
- 企業の組織名やサイトURL(例:
yourcompany.atlassian.net
)を設定します。
クラウド版ならサーバー構築の手間が不要なので、個人や小規模チームでもすぐに試せます。
2. スペースの作成
- ログイン後の画面左サイドバーから「スペースを作成」を選択。
- 部署やプロジェクトごとにスペースを分割するのがおすすめ。
- 名前と概要を設定し作成すると、簡単に自分専用のスペースができます。
Tips: スペースごとに閲覧・編集権限を設定可能です。機密情報を扱うスペースは閲覧権限を絞るなど、セキュリティレベルに応じた設定ができます。
3. ページの作成と編集
- 上部の「作成 (Create)」ボタンをクリックして新規ページの編集画面に移動。
- タイトルと本文を入力し、ツールバーから文字スタイルや見出し、画像添付などを行います。
- 「公開 (Publish)」をクリックすればページが完成です。
Tips: Confluenceでは複数人が同時に同じページを編集すると、リアルタイムで内容が同期されます。会議しながら皆で仕様書を編集するなどの使い方も可能です。
4. ページ階層と整理
- Confluenceは、ページをツリー構造で管理します。メインページの下にサブページを作って階層化すれば、ドキュメントを整理しやすくなります。
- 例:
- 「製品マニュアル」
- 「導入手順」
- 「FAQ」
- 「トラブルシューティング」
- 「製品マニュアル」
- ページの並び替えもドラッグ&ドロップで簡単にできます。
5. マクロの活用
Confluenceでは、“マクロ”という拡張機能を使って、ページに表やグラフ、タスク一覧などを埋め込めます。代表的なマクロ例は以下のとおりです。
- Table of Contents (目次): ページ内の見出しから自動的に目次を生成
- Status (ステータス): 「進行中」「完了」などのステータスバッジを表示
- Task Report (タスクレポート): Confluence内で作成されたタスクの一覧と進捗を表示
- Roadmap Planner (ロードマッププランナー): 簡易ガントチャート風のロードマップを作成
マクロを上手に使うことで、文章だけでなくビジュアルやタスク管理の要素も盛り込み、よりリッチな情報共有が可能になります。
運用をスムーズにするためのポイント
Confluenceを導入しても、運用ルールが明確でないと情報が乱立してしまう場合があります。以下のポイントを押さえるとスムーズに運用できます。
- スペースの命名規則を決める
部署名やプロジェクト名など、誰が見てもすぐ分かる名前を付けることで混乱を防ぎましょう。 - ページテンプレートを活用する
定型的な議事録、週報、手順書などはあらかじめテンプレートを用意しておくと効率的です。 - ラベル(タグ)の統一ルール
ページにラベルを付けることで検索性が高まります。ただし、自由に付け放題にすると乱立するため、あらかじめ「製品別ラベル」「プロジェクト別ラベル」などのガイドラインを作りましょう。 - 定期的なメンテナンス
古いドキュメントを整理しないと、情報が埋もれてしまいます。担当者を決めて、定期的に不要ページをアーカイブするなどの運用を行うと良いでしょう。 - ガイドページの整備
新メンバーが使い方に迷わないよう、「Confluenceの使い方」「運用ルール」をまとめたページを用意しておきます。
よくある質問 (FAQ)
Q1: Wikiツールと何が違うの?
A: Confluence自体もWikiに近い仕組みですが、UI/UXがビジネスユーザー向けに洗練され、拡張機能(マクロ)や他ツールとの連携が充実しています。単なるテキストベースのWikiよりもコラボレーションに特化した機能が豊富です。
Q2: スマホやタブレットからも編集できますか?
A: できます。Confluenceはモバイル対応のUIを備えており、スマホやタブレットのブラウザで閲覧・編集が可能です。公式アプリも提供されています。
Q3: 権限管理はどの程度細かく設定できますか?
A: スペースごとの閲覧・編集、ページ単位の細かい権限設定が可能です。外部パートナー限定で閲覧可能にするなど、柔軟なアクセスコントロールが実現できます。
Q4: データは安全ですか?
A: Atlassianのクラウド版Confluenceでは、ISO 27001やSOC 2などの国際標準に準拠したセキュリティ体制が整備されています。二要素認証やIP制限などの機能も利用可能です。
まとめ
Confluenceは、チーム内に蓄積された情報を一元化し、共同編集やコメント機能を通じてスピーディに共有・活用できるナレッジマネジメントツールです。
競合製品としてはNotionやesa、DocBase、SharePointなどがあり、それぞれ得意分野や機能性が異なるため、組織の規模や既存のツール環境に合わせて選ぶとよいでしょう。
- Confluence: WikiライクなUIと豊富なマクロ、Jiraとの連携が強み
- Notion: ブロックベースのUIとデザイン性の高さが魅力
- esa/DocBase: マークダウンやシンプルなUIを重視するエンジニア中心の小規模チーム向け
- SharePoint: Microsoft製品との連携や大型組織への導入実績が豊富
Confluenceをスムーズに運用するには、スペースやページ構成のルールを決め、テンプレートやマクロを活用することが重要です。さらに、定期的なメンテナンスを行い、情報の鮮度や正確性を保ち続けましょう。そうすることで、必要な情報に誰でも素早くアクセスでき、チームの生産性向上や意思決定のスピードアップにつながります。
まだ触れたことがないという方は、まず無料トライアルを試してみてください。最初は操作に戸惑うかもしれませんが、慣れてくるとメールやチャットに頼らないスムーズな情報共有の恩恵を実感できるはずです。ぜひ、この機会にConfluenceを導入して、効率的なナレッジマネジメントを始めてみましょう。