こんにちは。わさおです。
今回は経営コンサルタントが覚えるべきビジネス理論について紹介したい。これは経験的には分かっているものの、自分の頭の中で言語化し、人に説明したり、実践で使うために私がまとめたものである。
私が考えるコンサルタントの最も重要なスタンスは「ファクト」と「ロジック」で語るということである。その、ファクトとロジックを裏付けるために、コンサルタントは「理論」と「フレームワーク」を覚え、使いこなさなければいけない。
この記事ではそのうちの「理論」について五十音順で紹介したい。
なお、経営コンサルタントが覚えるべき「フレームワーク」については、以下の記事で紹介しているので、合わせて確認してみて欲しい。
【まとめ】経営コンサルタントが覚えるべきフレームワークの種類目次
- あ行
- ●アロンソンの不貞の法則:関係性が希薄の人からの評価は嬉しい
- ●アンカリング効果(係留効果):初めに提示された情報が意思決定に影響
- ●アンダードッグ効果:負け側を応援したくなる
- ●アンダーマイニング効果(過正当化効果):内発的動機付けに対して外発的動機付けは逆効果
- ●アンビバレンス効果(両面価値・両価感情):同一の対象に対して相反する感情を同時に持つ
- ●暗黙の強化:誰かが褒められると自尊心が傷つく
- ●イノベーター理論:イノベーターは市場の2.5%
- ●ウインザー効果:第三者からの情報は信頼が増す
- ●ヴェブレン効果(高級志向):羨ましがられたいという心理
- ●エージェンシー理論:人間関係は必ず利害対立が発生する
- ●エンダウド・プログレス効果(目標勾配):ゴール目前だとモチベーションが上がる
- ●オペラント条件づけ:条件付けにより発生頻度が変化
- か行
- ●カクテルパーティ効果:自分に都合の良い情報のみを選別
- ●カリギュラ効果:禁止されるとやりたくなる
- ●寛大効果(寛容効果):他者への評価は甘くなりがち
- ●希少性の原理:入手しにくいものは価値があると感じる
- ●クレスピ効果:報酬の量によって行動は変化する
- ●ゲイン・ロス効果:ギャップによって印象は大きくなる
- ●現状維持バイアス:現状維持を優先する
- ●現状志向バイアス:目の前の小さな利益に飛びつく
- ●限定合理性:完全に合理的な意思決定は不可
- ●権威への服従原理:権威者には無意識に従う
- ●ゴールデンサークル理論:まずは「Why」を伝えることで説得力が増す
- ●ゴーレム効果:期待されないとパフォーマンスは低下する
- ●ゴルディロックス効果(松竹梅の法則):3択だと真ん中を選びやすい
- ●語法効果:話し方によって印象が変わる
- ●コンコルド効果:損失すると分かっていてもやめられない
- ●コントラスト効果:一部分のみ変えることで強調される
- ●コンフリクト理論:対象に接近したい欲求と逃れたい欲求が矛盾を起こす
- さ行
- ●サンクコスト効果:投資分は取り戻そうとする
- ●自己開示:自分の情報を伝えることで相手から信頼される
- ●自己決定理論:「自己の有能さ」「周囲との関係性」「自律性」が生きがいに直結する
- ●社会的証明の原理:支持者が多いものは肯定的になりやすい
- ●締め切り効果:締切直前には集中力がアップする
- ●シャルパンティエ効果:イメージの違いで錯覚する
- ●順序効果:順序によって印象が変わる
- ●昇華:実現出来ない欲求が容認可能な行動に変化
- ●初頭効果:第一印象は評価に大きく影響
- ●ジョハリの窓:自分が知らない面を指摘されると嬉しい
- ●新近効果(終末効果):最後に提示したものが最も記憶に残る
- ●シンメトリー効果:対称性のあるものは好印象
- ●スティンザーの3原則:誰かの発言直後に発言する人は反対意見であることが多い
- ●ストーリーテリング:物語は記憶に残りやすい
- ●スノップ効果(多数派嫌悪):皆がやっているものはやりたくない
- ●スリーパー効果(仮眠効果):信頼性が低い情報は時間が経つとうさん臭さが消える
- ●宣言効果:目標を宣言すると成功率が上がる
- た行
- な行
- は行
- ●パーキンソンの法則:仕事の量は与えられた時間をすべて満たすまで膨張する
- ●ハード・トゥ・ゲット:相手を特別扱いすることで好感や信頼を得る
- ●バーナム効果:普遍的な内容が自分に該当すると判断
- ●バイスタンダー効果(傍観者効果):人数が多いと率先して動かなくなる
- ●ハネムーン効果・ハングオーバー効果:最初はモチベーションが高いが徐々に低下する
- ●ハロー効果(後光効果):目立つ一部分で判断がされる
- ●バンドワゴン効果(群衆行動・同調行動):多くの人がやっていることに同調しやすい
- ●反復効果:繰り返することで記憶に定着する
- ●ピグマリオン効果:期待されることでパフォーマンスが向上する
- ●ヒックの法則(選択回避の法則/決定回避の法則):選択肢が多過ぎると逆に選択されない
- ●フォールス・コンセンサス:自分の考えや価値観が正しいと思い込む
- ●フットインザドア:YesのあとにNoは言いにくい
- ●プライミング効果:先行刺激によりその後の行動や判断が変わる
- ●プラシーボ効果(偽薬効果):思い込みも効果がある
- ●フレーミング効果:同じ内容でも表現を変えることで印象が変わる
- ●プレグナンツの原理:「近いもの」「規則的なもの」「囲まれたもの」はまとまりと見なされる
- ●プロスペクト理論:損失は過度に避けようとする
- ●返報性の原則:何かをしてもらったらお返しをしないといけないと感じる
- ●忘却曲線:人は20分で約58%を忘れる
- ●ホーソン効果:特別な扱いを受けるとさらに効果を上げようとする
- ●ボッサードの法則:物理的に近いほど心理的な親密感が増す
- ●保有効果:一度入手したものは手放したくない
- ●ホワイトスペース効果:余白によって印象が変わる
- ま行
- や行
- ら行
あ行
●アロンソンの不貞の法則:関係性が希薄の人からの評価は嬉しい
関係性が強い人からの評価よりも関係性の希薄な人から受ける評価の方が承認欲求が満たされ嬉しい気分になる心理効果。
●アンカリング効果(係留効果):初めに提示された情報が意思決定に影響
初めに提示されたあるいは事前に得た情報が強い印象としてインプットされ、その後の意思決定に影響を与える効果のこと。船をつなぎとめるアンカーから生まれた言葉。製品や自社のメリットや良い点を最初に提示することで全体的に良い印象を与えることが出来る。
●アンダードッグ効果:負け側を応援したくなる
負け戦をしている側を支持し応援するという心理効果。
●アンダーマイニング効果(過正当化効果):内発的動機付けに対して外発的動機付けは逆効果
内発的動機付けによる行為に対して、報酬を与えるなどの外発的動機付けを行った場合、逆にやる気がなくなっていく現象。
●アンビバレンス効果(両面価値・両価感情):同一の対象に対して相反する感情を同時に持つ
同一の対象に対して、相反する感情や態度を同時に持つ現象。
●暗黙の強化:誰かが褒められると自尊心が傷つく
誰が自分以外の人を誰かが褒めたときに、自分の自尊心が傷つけられたように感じる。また、自分以外の人が貶されている場合に、自分の評価が上がったように感じる現象。
●イノベーター理論:イノベーターは市場の2.5%
市場に導入された商品は【イノベーター】→【アーリーアダプター】→【アーリーマジョリティ】→【レイトマジョリティ】→【ラガード】という順番で普及していくという理論。スタンフォード大学のエベレット・M・ロジャース教授が提唱。イノベーターは市場の2.5%、アーリーアダプターは13.5%、アーリーマジョリティとレイトマジョリティは34%ずつ、ラガードは16%で構成される。
●ウインザー効果:第三者からの情報は信頼が増す
本人から何かを聞くよりも第三者を介して間接的に知る情報の方が信頼が増す効果。良い印象を与えたいときには第三者を通じて伝えてもらうことが効果的。
●ヴェブレン効果(高級志向):羨ましがられたいという心理
羨ましがられたいという心理から高級品を支持する心理。
●エージェンシー理論:人間関係は必ず利害対立が発生する
あらゆる組織や人間関係を「依頼人(プリンシパル)」と「代理人(エージェント)」でとらえる理論。プリンシパルは自己利益の最大化を志向するが、一般にプリンシパルとエージェントの間には情報の非対称性あるいは格差があるため、両者の間には利害対立(エージェンシー・コスト)が発生する。エージェンシーコストを削減する方法としては、エージェントを監視する、エージェントがプリンシパルの利益と合致するような動機付けをする、エージェントが自己規律を働かせ、プリンシパルからの信頼を得ようとするなどがある。
●エンダウド・プログレス効果(目標勾配):ゴール目前だとモチベーションが上がる
ゴールや感性目前になるとモチベーションが上がる心理効果。
●オペラント条件づけ:条件付けにより発生頻度が変化
自発した反応の直後に特定の刺激を与えることで、その反応が生起する頻度を変化することが出来る。
【使用例】
絶対にやってはいけないNG行動を部下が行った場合に叱責することでそれが発生する確率を下げる。
か行
●カクテルパーティ効果:自分に都合の良い情報のみを選別
人間の脳は複数の情報が入り乱れる中にあっても自分に関係のある情報のみを選別できるという聴覚効果のこと。相手にとって聞きたい情報をキーワードとして入れることで、プレゼンやコミュニケーションがうまくいく。
●カリギュラ効果:禁止されるとやりたくなる
禁止されればされるほど、やってみたい衝動に駆られる心理効果のこと。ただし、あからさまなカリギュラ効果の利用は、信用性を失い、逆効果になるため注意。
●寛大効果(寛容効果):他者への評価は甘くなりがち
他者を認知・評価する際に生じやすい歪み。他者の望ましい側面はより強調され、望ましくない側面は寛大に評価されやすい心理。
【使用例】
人事評価会議の際、直属の上司の評価は甘めに付けられている可能性が高いため、鵜呑みにはせず、客観的な指標で評価する。
●希少性の原理:入手しにくいものは価値があると感じる
手に入れる機会を失いかけたとき、その機会をより価値あるものだと感じる心理。
●クレスピ効果:報酬の量によって行動は変化する
報酬の量の急変によって行動が変化する現象。報酬の量が減少した場合、やる気がなくなり行動が遅くなるという効果。
●ゲイン・ロス効果:ギャップによって印象は大きくなる
「良い印象」と「悪い印象」の振れ幅が大きいと、相手の心に後で与えられた印象が大きく残る効果。いわゆるギャップを作り出すことで、印象を大きく見せることが出来る。
●現状維持バイアス:現状維持を優先する
自分が置かれている現状維持を優先しやすいという理論。何か生活が向上する可能性があるとしても、現状の生活環境を変えることにリスクを感じる。
●現状志向バイアス:目の前の小さな利益に飛びつく
将来期待される大きな利益よりも現在得られる小さな利益を優先するという理論。有名な「マシュマロ実験」では、部屋にあるマシュマロを我慢すれば、もう一つもらえるという内容だったが、子供はマシュマロを食べてしまったという結果が出た。
●限定合理性:完全に合理的な意思決定は不可
人間は出来る限り合理的に意思決定をしようとするが、合理性に限界が存在するために完全に合理的な意思決定ができないということ。
●権威への服従原理:権威者には無意識に従う
専門家など権威のある人の言動には無意識に従ってしまうという法則。人は安心感を得るために自分よりも詳しい人、つまり専門家の意見を聞きたがる。
●ゴールデンサークル理論:まずは「Why」を伝えることで説得力が増す
「Why(なぜ)」→「How(どのようにして)」→「What(何を)」の順番で説明することで、人の心を動かせるという考え方。マーケティングコンサルタントのサイモン・シネックが提唱。
●ゴーレム効果:期待されないとパフォーマンスは低下する
他者から期待されないことによって成績や成果などの結果が低下する現象のこと。反対はピグマリオン効果。
●ゴルディロックス効果(松竹梅の法則):3択だと真ん中を選びやすい
人は3つの選択肢があると中間を選びやすいという現象。
●語法効果:話し方によって印象が変わる
話し方・言語表現によって、相手が捉える印象が変化する効果。
●コンコルド効果:損失すると分かっていてもやめられない
ある対象への投資を継続することでさらなる損失につながるとわかっているのにも関わらず、それまでの投資を惜しみ、投資をやめられない状態。
●コントラスト効果:一部分のみ変えることで強調される
似たデザインの中で特徴を付けることで視線を誘導出来る心理効果。文字の大きさや配色を変えて、一部分を目立たせることで強調が出来る。
●コンフリクト理論:対象に接近したい欲求と逃れたい欲求が矛盾を起こす
対象に対して、接近したい欲求と逃れたい欲求が下記3つの矛盾を引き起こすというレヴィンの理論。
①接近-接近:魅力ある対象が複数存在することでどちらか一つしか選べないというコンフリクト
(例)チョコレートケーキも欲しいが、ショートケーキも欲しい
②回避-回避:回避したい対象が複数存在することで中間あたりで行動が止まってしまうコンフリクト
(例)テストの勉強をやりたくないが、留年もしたくない
③接近-回避:一つの対象が接近と回避の欲求を引き起こす
(例)給料は上げたいが、忙しいのは嫌だ
さ行
●サンクコスト効果:投資分は取り戻そうとする
これまでに既に投資しており、取り戻せないサンクコスト(金銭・時間・労力)を取り戻そうとする心理効果。割引クーポンなど、せっかくもらったのだから使わなくては損という心理が働く。
●自己開示:自分の情報を伝えることで相手から信頼される
自分の感情や経験などの自分の情報を相手に伝えることで、相手から信頼される。特に、言いにくいことを伝えることで効果は大きくなる。
●自己決定理論:「自己の有能さ」「周囲との関係性」「自律性」が生きがいに直結する
自己決定理論の根幹は3つの基本欲求で成り立っている。
①有能さ:自分の能力とその証明に対する欲求
②関係性:周囲との関係に対する欲求
③自律性:自己の行動を自分自身で決めることに対する欲求
●社会的証明の原理:支持者が多いものは肯定的になりやすい
人は多くの人が支持していたり、流行っているものについて肯定的に考えやすくなるという心理効果。
●締め切り効果:締切直前には集中力がアップする
締め切りを設定することで集中力が高まる心理効果。
●シャルパンティエ効果:イメージの違いで錯覚する
視覚的なイメージで例えられると、物の量や大きさ、価値などを錯覚してしまう効果のこと。例えば、鉄100kgと綿100kgは同じ重さだが、イメージで比較すると鉄の方が重く錯覚してしまう。
●順序効果:順序によって印象が変わる
順序の違いや時間差によって反応が変化する現象。
●昇華:実現出来ない欲求が容認可能な行動に変化
社会的に実現不可能な目標・葛藤や満たすことができない欲求から、別のより高度で社会に認められる目標に目を向け、容認可能な行動に変容して充足させること。
●初頭効果:第一印象は評価に大きく影響
第一印象・情報はその後もずっとその人の評価に影響するとされる効果。
●ジョハリの窓:自分が知らない面を指摘されると嬉しい
心理学における4つの面。①誰もが知っている面、②誰も知らない面、③自分は知らないけど、他人は知っている面、④自分は知っているけど、他人は知らない面。このうち、指摘されて本人が嬉しくなるのは「③自分は知らないけど、他人は知っている面」になる。これを指摘する存在を特別な存在と感じる。
●新近効果(終末効果):最後に提示したものが最も記憶に残る
最後に見たり聞いたりしたものが最も記憶に残る現象。初頭効果と逆。
●シンメトリー効果:対称性のあるものは好印象
人は対称性のあるものに対して好印象を持つ心理効果。美しさだけではなく、安定感や誠実感を与えることもできる。
●スティンザーの3原則:誰かの発言直後に発言する人は反対意見であることが多い
アメリカの心理学者スティンザーの研究で導き出された下記3つの原則。
①会議の時に正面に座る人は反対意見を持っていることが多い。
②会議の時にある発言があった後、次に発言する人は意見に反対である場合が多い。
③会議の議長の主導権が強い場合は、隣同士の人たちの間で私語が多く、主導権が弱い場合は正面に座る人同士の私語が多い。
●ストーリーテリング:物語は記憶に残りやすい
情報ではなく「物語」を伝えることで印象を強くする手法。単純に数字や事実を伝えるのではなく、物語として伝えると22倍記憶に残りやすい。映像系のコンテンツと特に相性が良い。
●スノップ効果(多数派嫌悪):皆がやっているものはやりたくない
みんながやっているから私はやりたくないと思う心理のこと。この場合は特別感を醸成するほうが効果的になる。バンドワゴン効果(群衆行動・同調行動)の逆。
●スリーパー効果(仮眠効果):信頼性が低い情報は時間が経つとうさん臭さが消える
信頼性が低い情報源や信ぴょう性の低い人による説得が、時間の経過とともに信頼性の低さ(うさん臭さ)が消えて、自分の意見が変わる現象。
●宣言効果:目標を宣言すると成功率が上がる
ある目標を達成するために、あらかじめ周囲に目標を宣言するとその目標の成功率が上がるという心理効果。
た行
●単純接触効果(ザイオンス効果):接触すればするほど好感度が上がる
あるものに対して接触すれば接触するほど好感度が上がるという法則。積極的に顧客のもとに足を運んだり、電話やメールで連絡することは単純接触効果をもたらす。また、商品についても何度も広告を打ち出し、目に触れる機会を増やすことで興味や好感度を高めることが出来る。ただし、しつこく接触すると逆効果になるため、その点の注意が必要。
●沈黙効果(マム効果):相手に不快なことは伝えにくい
対人コミュニケーションにおいて、送り手が相手にとって不利な情報、不快なことを伝達することを避けようとする傾向のこと。
●ツァイガルニック効果(中断効果):中断しているものは記憶に残りやすい
目標が達成されていない未完了の課題についての記憶は、完了した記憶に比べて想起されやすいという効果。
【使用例】
・漫画の一部を公開し「続きはアプリでご覧ください」など最後まで読ませないことで高いコンバージョンが見込める。
●吊り橋効果:心拍数が上がると恋と勘違い
心拍数が上がったときのドキドキを恋と勘違いする効果。
●デコイ効果(おとり効果・非対称性優性効果):劣った選択肢によって他の選択肢が魅力に感じる
劣った選択肢の存在により他の選択肢が魅力的に感じてしまう理論。おとりを提示して消費者の選択肢を絞ることで、成約率を高めることが出来る。ただし、ヒックの法則にあるように比較対象を増やし過ぎると逆に選べなくなるため、比較しやすい項目を絞って選択肢を提示するのが良い。
●デッドライン効果:締切が近いとモチベーションと集中力がアップする
締め切りが近くなると焦りが生まれ、モチベーションや集中力がアップする。
【使用例】
・クーポンやポイントの有効期限を設定することで駆け込み需要が期待できる。
●デフォルト効果:デフォルトで指定されたものが選択されやすい
標準で指定されたものを変更せずにそのままにしたくなる心理効果。選択肢がある場合デフォルト状態のものが選ばれやすくなる。
●テンションリダクション:重大な出来事の後は無防備になる
重要な出来事や重大な決断の時にそれをクリアするまでは緊張して身構えるものの、ことが終わるとその反動で緊張が一気に和らぎ、そのときに心理的に無防備な状態になる現象。
●ドア・イン・ザ・フェイス:わざと断られた後に真の依頼をする
到底受け入れられない頼みごとをし、相手が断ることで罪悪感を覚えさせ、その次の頼みごとを受け入れさせる心理テクニック。人は何度も断るとプレッシャーを感じるため、最終的に相手が受け入れられる範囲のこちらの要求を受け入れてもらうことが出来る。
な行
●内集団バイアス(内集団びいき):内輪の人にはひいきしやすい
外集団の人よりも内集団の人に対して好意的な認知・感情・行動を示す傾向のこと。
●認知的不協和:自分の考えにそぐわないことをやったときに自己正当化する
自分の考えと実際に取った行動が一致していない場合など、認知の不一致があった際に不快感があり、矛盾点を正当化しようとしてしまう心理効果。
●認知的容易性(流暢性):分かりやすいものは正しいと感じる
人は分かりやすいものを正しいと感じ、分かりにくいものは間違っていると感じること。
【使用例】
・職務経歴を書く際に、論理的にカテゴリ化したり、分かりやすい言葉を使うことで合格率を高める。
●ネオフォビア(新奇恐怖):新しいものには恐怖心を抱く
自分の知らない新しいものには恐怖心を抱いてしまうという心理。
●ネガティビティ・バイアス:ネガティブな情報のほうが判断時の影響が大きい
評価的にポジティブな情報よりもネガティブな情報の方が情報価値が高く、人が行う判断に大きな影響を及ぼすこと。
は行
●パーキンソンの法則:仕事の量は与えられた時間をすべて満たすまで膨張する
第一法則:仕事の量は与えられた時間をすべて満たすまで膨張する
第二法則:支出の額は、収入の額に達するまで膨張する
●ハード・トゥ・ゲット:相手を特別扱いすることで好感や信頼を得る
相手を特別扱いすることで好感や信頼を得るテクニック。例えば、本日限定とか御社限定のような煽り文句をつけることで特別感を演出することが出来る。人には自己承認欲求があり、それを満たしてくれる相手には好意や信頼を寄せる。
●バーナム効果:普遍的な内容が自分に該当すると判断
多くの人に当てはまる普遍的な内容が今の自分に該当すると判断してしまう心理効果。
●バイスタンダー効果(傍観者効果):人数が多いと率先して動かなくなる
何かが起こっても、自分以外に傍観者がいるときには自ら率先して行動を起こさない現象。
●ハネムーン効果・ハングオーバー効果:最初はモチベーションが高いが徐々に低下する
最初はモチベーションが高いが、慣れてくるとモチベーションが下がる心理効果。人は「新年」「新学期」「転職」などの心機一転の機会があるとモチベーションが上がり、様々な意欲がわいてくるが、時間が経つにつれて気持ちが薄れてくる。そのため、モチベーション維持出来る仕組みづくりが重要になる。
●ハロー効果(後光効果):目立つ一部分で判断がされる
物事の目立つ一部分だけで判断をすること。ハローとは、「聖人の頭上に描かれている光の輪」を指す。有名なインフルエンサーに宣伝をしてもらったり、他社と比較して〇〇倍などの数値的なインパクトを示し、評価を高めたりする。
●バンドワゴン効果(群衆行動・同調行動):多くの人がやっていることに同調しやすい
その商品を持っていたり、使っている人数が多いほどその商品を欲する人が増える現象。例えば、ネットのランキング上位のものを選択しやすかったり、長い行列ができる飲食店はおいしいと感じたりすること。
●反復効果:繰り返することで記憶に定着する
異なる施策を繰り返すことにより、学習や記憶が進むという効果。
●ピグマリオン効果:期待されることでパフォーマンスが向上する
他者から期待されることによって成績や成果などの結果が上昇する現象のこと。反対はゴーレム効果。
●ヒックの法則(選択回避の法則/決定回避の法則):選択肢が多過ぎると逆に選択されない
選択肢の数が多すぎると判断に迷いが生じ、逆に選択しなくなる法則のこと。
【使用例】
ユーザーの好みに合わせておすすめの商品を数点のみ表示する
●フォールス・コンセンサス:自分の考えや価値観が正しいと思い込む
世の中のほとんどが自分と同じ考えをするだろうという、自分の考えや価値観が正当だと思い込みやすいという心理。
●フットインザドア:YesのあとにNoは言いにくい
一度YESというと、その後Noを答えにくくなるという心理テクニック。人間は一貫性があるほうが信頼がおけると無意識に思い込むため、一貫性のある回答をしようとする人間の特性を利用している。
●プライミング効果:先行刺激によりその後の行動や判断が変わる
先行刺激(プライマー)によりその後の行動や判断が無意識に変わる心理効果。
●プラシーボ効果(偽薬効果):思い込みも効果がある
薬に見せかけた偽物を与えても、思い込みによって改善が見られるという効果。
●フレーミング効果:同じ内容でも表現を変えることで印象が変わる
同じ内容なのに表現の小さな違いから判断が変わる心理効果。例えば、飲料品の有効成分をgからmgに変更することで大きい効果があるような印象を与える。
●プレグナンツの原理:「近いもの」「規則的なもの」「囲まれたもの」はまとまりと見なされる
①近接の要因:「近いもの」がまとまり群を形成する
③良い連続の要因:「良い連続、なめらかな連続」をなすものが、まとまり群を形成する
④良い形の要因:「簡潔、規則的、同一幅、シンメトリー」がまとまり群を形成する
⑤閉合の要因:「囲まれたもの」がまとまり群を形成する
●プロスペクト理論:損失は過度に避けようとする
人は損失に対して過大に評価する傾向があり、実際の損得と心理的な損得が一致しない場合があることを指す。人は得をする可能性があるときはそれを得られるようにし、損をする恐れがあるとそれを避けようとする。損失回避性。人間の意思決定は非合理であることを表している。
【使用例】
・商品を購入してから30日間は全額返金可能というキャンペーンを打ち出し、損失が発生しないよう設計する。
●返報性の原則:何かをしてもらったらお返しをしないといけないと感じる
人が何かをしてもらったらお返しをしなければいけないと感じる法則。スーパーの試食や洋服屋の試着時の対応が丁寧なことはこの原則を利用している。
●忘却曲線:人は20分で約58%を忘れる
人間の記憶は20分間で約58%まで失われると結論づけている。ドイツの心理学者ヘルマンが作った理論。
●ホーソン効果:特別な扱いを受けるとさらに効果を上げようとする
特別な扱いを受けると、さらに効果を上げようとする傾向があること。かまってくれる人に恩返しをしようということ。
●ボッサードの法則:物理的に近いほど心理的な親密感が増す
物理的な距離が心理的な距離に影響を及ぼすという効果。物理的に近いほど心理的な親密感が増す。
●保有効果:一度入手したものは手放したくない
一度入手したものは手放しにくいという理論。
●ホワイトスペース効果:余白によって印象が変わる
余白を使うことで印象を変える心理効果。余白を多くすると上品で高級感なイメージ、余白を少なめにするとインパクトが大きく、お得感を出すことが出来る。
ま行
●マッチングリスク意識:初めてのものを買うときには不安を感じる
何かを買うときに、これは本当に自分に合うのかと不安を感じる心理。
●ミラーリング効果:相手の行動を真似すると信頼関係を築くことが出来る
相手の行動パターンを観察し、自分の行動パターンをそれに合わせること。目線、仕草、身振り、表情、話す速度、トーンなどを相手に合わせることで、信頼関係を築くことが出来る。
●メラビアンの法則:印象の影響度合いはノンバーバル行動が93%
言葉使い、表情、声の調子などのボディランゲージの影響の度合いを示すもの。相手に与える影響としては、ボディランゲージが55%、声の調子が38%、言葉使いが7%である。
や行
●ヤコブの法則:馴染みのあるルールで作られていれば初めてでも使える
UIデザインを行う際は完全オリジナルのものにせずに他のなじみがあるソフトと似通った共通のデザインにすることでスムーズに利用することが出来るようになる。
●矢印効果:矢印が向いているほうに視線を合わせてしまう
人は矢印の向いている方向に視線を合わせてしまうという効果。文字よりも矢印のほうが誘導効果が高い。
ら行
●ラベリング効果:ラベルに合わせた人間を演じようとする
人間はラベルを貼られると、そのラベルに合わせた人間を演じようとする原則がある。例えば、「仕事が早い」「いつも優しい」などを相手に繰り返し伝えると相手はその通りの人間を演じようとする。
●リフレーミング効果:固定観念を外してみると気分が変わる
常識による固定観念や判断基準といった枠組みを外して捉えてみると、気分が変わったりする効果。
●両面提示:良い面・悪い面の両方を伝えることで説得しやすくなる
相手に良い面、悪い面の両方を伝えることで信頼され、説得しやすくなるという効果。悪い面を伝えることで、相手は親近感を覚えたり、論理的に判断できると感じることが出来る。
●リンゲルマン効果:人間は集団になると一人当たり効率が低下する
人間は集団になると怠け、一人で作業するよりも一人当たりの効率はかえって低下する
【使用例】
・リンゲルマン効果を考慮して、チームの単位は各自の責任が明確になるくらい少人数にする
●類似性の法則:類似性があると親近感が湧く
好意を互いに持つ人々や協力し合う人々は類似する点(趣味、出身地、仕事、共通言語、仕草など)があるという法則。相手との共通の点を見つけて、その点を相手に理解させることで、親近感を持たせることが出来る。
●レストルフ効果(孤立効果):異質な項目があると記憶が蘇りやすい
記憶の中に異質項目があるとその再生がしやすいという心理効果。
●レミニセンス:学習直後より一定時間経過後のほうが学習成績が良くなる
学習直後より一定時間経過後のほうが学習成績が良くなる現象。
●ロストゲイン効果:機会消失を避けるために欲が強化される
最後の一つであることを理由に機会消失することを避けるために欲が強化される現象。